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介護福祉士対策講座【医療的ケア】

医療的ケアの過去問に挑戦①

こんにちは! 今回は「医療的ケア」の過去問を使って学んでいきたいと思います!私は現在医療ソーシャルワーカーとして病院に勤務しています!介護福祉士の方も働いていますが、様々な疾患を抱える患者さんへの支援においては医療に関する知識、技術は必須となると感じています!医療の現場で看護師など他職種連携のチームの一員である介護福祉士の果たす役割も大きく、だからこそ介護プラス医療のスキルも求められてくるのだと日々働きながら感じています!特にこの「医療的ケア」の科目は医療を実践する上で知っておくべき知識や技術が詰まった科目だと思っています! 医療的ケアの学ぶべきポイントは以下の通りです!

☆まずは何かあれば、「看護師に報告
→現場では介護福祉士が判断することもありますが、国家試験においてはまずは医療職である看護師に報告し看護師からの指示を受けて対応します!国家試験において、何かあるという状況は「医療行為を行う上で」利用者に異変があるという状況です!そのため、介護福祉職が勝手に判断するのNG行為となります!また、何もしないこともNGです!そのため、まずは看護職に報告だ最初の行動になるわけです!

社会福祉士及び介護福祉士法で介護福祉士は喀痰吸引、経管栄養ができる!
※条件として養成課程+実地研修が必要である!

☆喀痰吸引の方法(手順を動画を使って確認しておくことがお勧め ※イメージがしやすくなります)
・「咽頭手前まで(介護福祉職のできる範囲)」、「医師の指示書にある吸引圧や時間を守る」がポイントです!

☆経管栄養の方法
・医師の指示(介護福祉職のできる範囲)、終了後しばらく半座位がポイントです!下痢やしゃっくりなどがあればすぐに看護職に報告します!

☆心肺蘇生法
・気道確保、心臓マッサージ、人工呼吸の方法は動画で確認しておく!

過去問に行く前に、第36回介護福祉士国家試験の医療的ケアの出題項目についても確認しておきましょう!
・喀痰吸引など医療行為に関する知識:1問
・体の器官の説明:1問
・喀痰吸引の方法:1問
・経管栄養の方法:2問

となっています!例年だと必ず喀痰吸引と経管栄養に関する問題は1問ずつは出題されます!そのため、この2つの手順は確実に押さえておくことが重要になります!医療的ケアは5問しか出題されず、科目0(1科目でも0点があると合格できない)のリスクが最も高いため、確実に解ける問題を押さえておく必要があるからです!

ではこれらの踏まえて最初の問題です!まずは経管栄養に関する問題になります!

【第35回 問題63】
Fさん(87歳 女性)は、介護老人福祉施設に入所している。嚥下機能が低下したため、胃ろうによる経管栄養が行われている。担当の介護福祉士は、Fさんの経管栄養を開始して、しばらく観察した。その後、15分後に訪室すると、Fさんが嘔吐して、意識はあるが苦しそうな表情をしていた。介護福祉士は、すぐに経管栄養を中止して看護職員を呼んだ。 看護職員が来るまでの介護福祉士の対応として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。

  1. 室内の換気を行った。
  2. ベッド上の嘔吐物を片付けた。
  3. 酸素吸入を行った。
  4. 心臓マッサージを行った。
  5. 誤嚥を防ぐために顔を横に向けた。

☆トラブルがあれば、まずは「看護師に報告」がこの科目では絶対の対応になります!!
・今回は看護師を呼んで、来るまでに最も優先すべき対応が問われています!
・Fさんは意識はあるが嘔吐して苦しそうな表情をしています!
→2つのポイントから誤嚥を防ぐ対応をするのが正解となります!

  1. × 必要だが、優先度は低くなります!
  2. × 優先度は低くなります!
  3. × 医療行為のため介護福祉職はできません!
  4. × Fさんは意識はあるので必要ないです!
  5. ○ 嘔吐した場合、顔を横に向けて誤嚥を防ぐ必要があります!

医療的ケアの過去問に挑戦②

ここからは、喀痰吸引に関する過去問も確認しておきましょう!

【第32回問題109】
介護福祉士が医師の指示の下で行う喀痰吸引の範囲として、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 咽頭の手前まで
  2. 咽頭まで
  3. 喉頭まで
  4. 気管の手前まで
  5. 気管分岐部まで

介護福祉士が行える喀痰吸引の範囲は「咽頭手前」までです!よって正解は1になります!ここはきちんと押さえておきましょう!

次の問題です!
【第30回 問題112】
介護福祉士が喀痰吸引を指示に従って実施したが、1回の吸引で痰が取り切れなかった。再度、吸引を行うときの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 呼吸が落ち着いたことを確認する。
  2. 吸引時間を延長する。
  3. 吸引圧を高くする。
  4. 太い吸引チューブに変更する。
  5. 痰がたまっていそうな部位にしばらく吸引チューブをとどめる。

☆介護福祉士は吸引や経管栄養を医師の指示通りに行う必要があります!

  1. ○ 吸引は利用者の負担が大きいです!
  2. × 医師の指示通り行うので×です!
    ※吸引時間が長いと呼吸しにくく低酸素状態になります!
  3. × 医師の指示通り行うので×です!
    ※吸引圧を高くすると粘膜の損傷、出血や嘔吐の原因になります!
  4. × 医師や看護師に報告して太さを検討します!
  5. × 1か所にとどめると粘膜の損傷や出血の原因となります!
    チューブを回したりずらしたりしてまんべんなく吸引を行います!

「医療的ケア」は過去問を解きながら傾向と対策をつかむことが重要だと思います!範囲が他の科目に比べて狭い分、似た問題が出題されることが多く、出題パターンは絞りやすいはずです!とにかく過去問をやっていきましょう!

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板垣大介

板垣大介

介護福祉士国家試験対策講師

現在MSWと介護支援専門員の2刀流で活躍中。社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員の資格を持ち、介護現場で勤務ののち、介護福祉士養成の専門学校の教員として勤務。そこで介護福祉士を目指す学生に福祉の魅力を伝え、多くの卒業生が介護現場で活躍している。また介護福祉士国家試験対策のスペシャリストとして、学生だけでなく、現場で介護福祉士を目指す方たちの国家試験合格をサポートして結果を残した。介護分野だけでなく、幅広い福祉分野で新潟の医療福祉業界を盛り上げたいと考え、現在は医療福祉の現場で日々医療福祉を必要とする方とその家族のQOL向上を目指して奮闘中。趣味はバスケットボールと広島カープの応援。

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