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自分に対して「激甘」でもいいんだよ ~ダメなところがいっぱいある自分を大切に抱きしめてあげよう~

ケアカレッジ「介護のココロのケア」担当、グリーフケアアドバイザーのマミコです。

今年は6月の前半でも過ごしやすい…というか肌寒い日が続いていましたが、梅雨を前にして急激な気温上昇。

ゆるやかな気温の変化であれば、まだ体も順応しやすいのですが、こうも一気に変化すると体もビックリしちゃいますよね。

自律神経のバランスが崩れてしまったり、体が食事を受け付けなかったり、自分の「意思」とは裏腹に身体がついてこない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

かくいう私も、日の出とともに目が覚めてしまい「寝不足」が続いてフラフラしたりします。

自分でコントロールできない「外的要因」で、これまでと同じパフォーマンスが出せないことなんてあるあるですから、そんなときに自分を責めるのではなく

くっそー、急激な気温上昇のせいだ!!

と、外側の要因に悪態をつきつつ、バランスが乱れても自分を立て直そうとしている自分のことを、めいっぱいヨシヨシと労わってあげてください。

毎日には、思いがけない様々なことが起きるものですし、小さな選択肢から大きな選択肢まで、もうありとあらゆる決断をしながら生きています。

そんな中で「いつも通り」にやれるようにと、無意識に自分を動かしているのですから、「変化もない、昨日とほぼ同じ一日」を送っているだけでハナマルです。

・うまくいかない時は、自分に優しいまなざしを
・いつも通りの時は、自分に暖かいねぎらいを
・いつもより優れている時は、自分に大きな拍手を

いつだってどんなときだって、自分が自分に「いいね!」を送ってあげられますように。

自分に対してうーんと激甘でもいいんだから

突然ですが、何かに挑戦して一生懸命に努力している人の姿を少し想像してみてください。

例えば、高校球児。
もうじき、夏の甲子園が始まりますよね。
きっと今頃は、甲子園出場をかけた試合に臨んでいる時期でしょうか。

甲子園に行けるのは、ほんのわずかの学校だけです。

甲子園出場を目指す学生さんたちは、みんなそれぞれに部活動に打ち込み、それ以外にも自主練習や筋トレなどの「自分がやれること」に取り組んでいることでしょう。

もしかしたら、小中高と長い時間ずっと、甲子園出場を夢見て野球を続けているかもしれません。

高校3年生、最後のチャンス。

負ける気なんて全然していないし、甲子園に行くんだ!!って試合に臨んだのに、負けてしまって夢破れた…。

肩を落として声を震わせて泣いている高校球児を見て、

あなたはどんな風に思うでしょうか?
あなたはどんな言葉をかけるでしょうか?

ゆっくり考えてみてくださいね。

きっと、ここまで頑張ってきた姿を想像して悔しさをくみ取り、労ったり頑張りを評価してあげるのではないでしょうか?

目の前の現実は、頑張ったことが実を結ぶ形にはならなかった。

けれど、結果だけじゃないですよね?

一生懸命に向き合い、努力し、夢を追いかけて奮闘したすべての日々を「素敵だよ」「かっこいいよ」と言ってあげるのではないでしょうか。

結果が出せれば最高です。

でも、どんなに努力してもうまくいかないことがあったり、まだ目標としている者には手が届かない状態の時だってあるでしょう。

結果も大事だけれど、結果だけではなく「頑張ってきたこと」「努力していた事実」を、認めてあげましょう。

頑張っていること、工夫してみたこと、自分なりに取り組んでみたこと、努力したことは、もしかしたら他の人には伝わっていなかったり分かってもらえないかもしれません。

でもね、あなたは全てを知っていますよね?

あなたがどんなふうに、頑張っていたかを。
あなたが一生懸命だったことを。

結果が出なかったとしても、あなたがあなたの「頑張ってきた事実」を大いに認めて、褒めてあげてください。

高校球児や、オリンピックでメダルを目指しても届かずに悔し涙を流している選手に対して「頑張りが足りない」なんて言わないように、自分に対しても「頑張ったのに残念だったよね」って言ってあげてください。

「なんだよ、口ばっかりかよ!」
「何年も頑張ってこの程度かよ!」
「恥ずかしい」
「情けない」

こんなような言葉を、夢破れた球児たちにはきっと投げつけないと思います。

でも不思議なことに、世界で一番大切で、世界で一番「頑張っているのを見てきた」はずの自分が、うまくいかなくて傷ついたり悲しんでいる自分に対して、こんな辛辣な言葉を平気で投げつけちゃうんですよね。

こんな言葉が突き刺さったら、悲しいし痛いし、頑張ってきたのに報われません。

何かを形にできたら、周りから評価されたら、ゴールに到達できたら、それでようやく認めてあげるばっかりじゃなくていいんです。

結果は残念だったとしても、あなたが力を込めたこと、あなたが向き合ったこと、あなたが頑張った「事実」を認めてあげましょう。

結果に結びつかなければ、周りからは特に何も言ってもらえないことが多いですし、形にできなければひどいことを言われてしまうことだってあるかもしれません。

周りが厳しい分だけ、自分は自分に対して「激甘」になってあげませんか?

厳しくすることで成長する…というのもあるかもしれませんが、厳しいばっかりでは心も折れますし、つら過ぎて頑張る力も湧かなくなっちゃいますものね。

努力が実って甲子園に出場できるチームもかっこいい!
負けてしまったチームだって、精一杯頑張ったことがかっこいい!

ねっ、どっちも「いい」じゃないですか。

世の中の人が甘くならばこそ、自分が自分に甘くしてあげましょ

色々なことで自分を責めてしまったり、うまくやれないことに葛藤したりしながらも、今日まであなたなりに「一生懸命に生きてきた」はずです。

だからそれだけで、もう十分にかっこいいはずじゃない?
だからもうとっても、素敵なはずじゃない?

あなたがチャレンジした事柄一つ一つ、どんなに些細な挑戦だって、高校球児に匹敵するくらいにかっこいいんだから。

叶わなかったのは、めちゃくちゃ悔しいよね。
結果が伴わなくて、本当に悲しいね。
でも、私は知ってるんだから。
一生懸命に向き合い頑張っていたことを。
よくやったよ!あっぱれだよ!
最高に、かっこいいよ!!

世の中そんなに甘くないよ…と言う声があるとしたら、そっかーと受け流しちゃいましょう。

世間や周りが厳しいならば『尚のこそ』、厳しい中で生きている自分に甘い優しさが必要じゃないですか?

それにね、他の人の言う言葉や、他の人の持つ基準は全部

その人が持つものさしで図るもの
その人が作った基準で決めるもの

なんです。

以前もブログでご紹介したかもしれませんが、アンパンマンの作者である「やなせたかしさん」は、こんな言葉を語っています。

正義はとても不安定なもので、ある日、突然逆転する。
(引用:アンパンマンの遺書/やなせたかしさん著・岩波書店)

やなせさんは太平洋戦争に駆り出されましたが、その際に「戦争は聖戦」「日本のしていることが正義」と教えられていました。

でも、日本は戦争に負けてしまった。

正義の戦いだったはずなのに、負けた途端「正義はあっさりひっくり返る」という体験をされました。

「正しい」「間違い」というような、揺らいではいけないようなものですら、あっさりと変わってしまうんです。

1つの方向から見るだけだと、真実はわからない。
  (中略)
あの「英雄ナポレオン」も、征服された人からしたら、ただの侵略者だしな。
(引用:伝わっているか?/小西利行さん著・宣伝会議)

まさに!ですよね。
「英雄」として描かれているナポレオンですが、侵略された人たちは「悪者」として語り継いでいるでしょう。

周りや世間の基準は、本当に当てにならないもの。
それに達することができないからといって、あなたが全てダメだなんてことはあり得ませんから!!

あなたは自分に甘いんじゃない?

と厳しい人から言われたとしても、それはその人から甘く見えているだけで、あなたにとっては甘くもなく「一生懸命だった」のであれば、そんな言葉は受け流しちゃいましょ。

そしてもう一つ。
自分とは合わない、自分がすり減るほどに厳しい環境から移動して、他の環境に身を置いてみたら、甘いどころかそれが普通!なんてこともあり得るんです。

社会生活を送る以上、周りにはたくさんの人がいて、それぞれの基準や求めるものがあり、頑張らなくてはいけないことがたくさんあります。

できるならばその要求や基準を満たしたいけれど、みんな個々に持てる力が違うものです。
自分にとってはうまくいかない事柄を得意とする人もいれば、他の人が苦手としているのにあなたからしたら簡単な物事だってあるでしょう。

みんな違う能力、役割を持っているんですから。

とはいえ、自分の持つ力とは違うものを求められる環境で、厳しい言葉や態度の中で頑張っているあなただからこそ、自分が自分に対してだけは「私なりに頑張ってるのを知ってるからね!」と認めてあげてくださいね。

自分くらいは、自分に甘くていいんだから!

そしてね…
自分に甘くするなんていけないんじゃ…と思っている時点で、もう十分に「周りの期待に応えようと頑張っているから」そう思っていることを忘れないでね。

自分にとことん甘くてゆるゆるな人は、そもそも「甘くしていいんだろうか?」なんて悩まないですから。

自分がダメだ、役に立てていない、周りの人のようにできない…。

そう感じてしまうのはつらいことです。
肩身も狭いですし、自分で自分のことを「ダメ」だと思い込んでしまいます。

でもでも、ね。
何かを成し遂げるからその人には価値があるのではなく、それぞれに迷ったり悩んだり、時にやらかしたり笑ったりしながら

自分の人生を生きる

ことができれば、上出来です。
自分を生きるために、私たちは生まれてきているのですから。

だから、欠点があって弱くて、人と比べて劣ったように感じちゃうこともある「この私」で生きている私のことを、うーんとうーーんと大事に抱きしめてあげましょう。

私もたくさんの欠点を持っています。
もっと頭が良かったら、もっとスタイルが良かったら、もっと社交的だったら…って、ないものを羨むこともたくさんあります。

けれど、私は私以外の人にはなれないし、私として生きることしかできないんです。

だから「あれまぁ」なんて時に苦笑いしながらも、私を愛していこうと決めています。

決めたからうまくやれる…と言うわけではないけれど、1歩進んで2歩下がるの歩みでもいいから、ゆっくり自分を愛せる私になりたいと、今も自分に暖かいまなざしを向け続けています。

不器用な私を、拗ねてしまうほどにうまくやれない私を、大きく包むようにギュッとハグして。
大切な私を、私が大切にしてあげましょ♡

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マミコ

マミコ

グリーフケア・アドバイザー

株式会社ドットコム・マーケティング在籍。 2021年、グリーフケア・アドバイザー1級取得。 2024年、動物医療グリーフケア®「ペットライフグリーフケアアドバイザー」認定。 人生で最もつらく答えのない苦しみに対峙するのが喪失体験です。『哀しむことは愛すること』という言葉を胸に、愛で見守り・愛で受け止め・愛で支えるグリーフケアを目指しています。 グリーフケア分野以外のお悩み相談・カウンセリングでは、自分に優しさを向けて思いやり、自己受容する生き方のサポートを得意とする。

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