医療介護福祉の学び情報メディア

お知らせ&イベント

「お家が一番」を知っているからこそ ~PDハウス新潟紫竹山 入居相談会に参加して~

ケアカレッジ「介護のココロのケア」担当、グリーフケアアドバイザーのマミコです。

12月17日(火)15:00〜、アピタ新潟西店2階「Komachi介護転職カウンター」で開催された、パーキンソン病専門ホーム 「PDハウス新潟紫竹山」入居説明相談会に参加してきました。

この日は、施設の特徴だけでなく、パーキンソン病という病気そのものについても、丁寧に、そしてとてもあたたかい言葉でお話を伺うことができました。

実は私の祖父も、パーキンソン病を抱えていました。
そのことを思い出しながら、今日は相談会で感じたことをゆっくり言葉にしていきたいと思います。

幻覚の話を聞いて、思い出した祖父のこと

祖父がパーキンソン病と診断されたのは、私が小学生の頃。
当時はインターネットもなかったため、病気のことについて調べる手段も限られており、家族の誰もが病気については詳しく分かっていませんでした。

病気ゆえに運動機能に障害が出るようになり、大好きなおじいちゃんの手が震えること。
少し離れた場所で暮らす私の家まで、ドーナツを買って自転車で遊びに来てくれるのが楽しみでしたが、それができなくなった時のことは、子ども心に何とも言えない寂しさを感じたのを覚えています。

相談会で、PDハウス新潟紫竹山の施設長・石田さんから伺ったお話の中で、とても印象に残ったのが 「幻覚」 についてです。

パーキンソン病の方には、はっきりとした幻覚が現れることが少なくないそうで、

「小人が見える」
「そこに人が座っている」
「隣に誰かがいる」

といった具体的で鮮明な幻覚を体験される方も多いのだそうです。

その話を聞いた瞬間、大きく頷きました。

——そうそう、おじいちゃんも「そこに小人がいる」と言っていました!!

当時はそれがパーキンソン病の症状だと分からず、認知症ではないかと周囲が戸惑い、祖父本人も、家族も、とても不安な時間を過ごしました。

「もし、あの頃に今のような知識があったら」
「もし、専門のホームがあったら」

そう思わずにはいられませんでした。

PDハウス新潟紫竹山ってどんなところ?

PDハウス紫竹山は、2024年10月に新潟市中央区紫竹山でオープンしたパーキンソン病専門ホームです。

お部屋は住宅型有料老人ホームとして提供され、訪問介護・訪問看護と組み合わせることで、その人らしい暮らしを大切にする形になっています。

全54床のうち約40床ほどはすでにご利用者様がいらっしゃるそうで、関心の高さが伺えます。
また、2026年には東区寺山にも新たなホームが開設予定のため、気になる方はぜひご相談ください!

専門ホームだからこその安心感

この施設ならではの特徴は、何と言ってもパーキンソン病に特化したリハビリです。

・脳神経内科専門医が監修するリハビリ
・1日3回のリハビリを実施
・「リハビリを受けたくて入居を決めた」という方もいるほど

また、リハビリを担当するスタッフは、医師監修の研修を受け、パーキンソン病の基礎知識をしっかり学んだ上でケアにあたっています。

また、どうしても刻み歩行になってしまうので、視覚で跨げるようなリハビリ室の工夫もされていて、床は視覚として入りやすい「緑」を使った市松模様になっているのも、細やかな配慮の表れ。

さらに、全職員がパーキンソン病の基礎知識を学ぶプログラムがあり、独自で設けている「PDライセンス3級」を取得してから現場に立つという体制も印象的でした。

運動症状だけでなく、オン・オフによる精神症状の変化など、パーキンソン病のことを理解したうえで関わってもらえる安心感があります。

「安心して暮らせる」って、どういうことだろう?

パーキンソン病に寄り添うケアは、日中の身体の動きだけではありません。

夜間や朝夕で、症状や気持ちが大きく変わることもあるのが、この病気の特徴であり、ご本人やご家族にとって不安の大きな源です。

PDハウスでは、24時間体制の訪問看護が整っており、夜間も看護師がいる安心感があります。
日中5名、夜間も3名以上の看護師がいる体制は、ご本人だけでなくご家族にとっても大きな安心材料だと感じました。

特に夜間は、
・不安が強くなる
・幻覚が出やすくなる
・体が思うように動かず転倒のリスクが高まる

といった特徴があるそうです。

体調や精神面の変化をキャッチし、医師と連携しながらサポートしていく体制は、日々の小さな不安を丁寧に受け止めてくれるという印象でした。

また、スタッフ全員がパーキンソン病について学ぶ研修を受け、基礎知識を深めているという話にも、私はとても安心感を抱きました。
— この「知っている」という安心は、どれほど大きいものでしょう。

「PDノート」がつなぐ、日々の変化と医療

時間帯によって体調や精神状態が大きく変わるパーキンソン病。
PDハウスでは、独自の 「PDノート」 を活用し、細かな変化を医師やスタッフ間で共有しています。

「少し体が動きにくそう」
「幻覚が繰り返し起こっていた」

日常の小さな変化情報が医師にもスムーズに伝わり、訪問診療による薬の調整などが迅速に行える体制が整っています。

暮らしの中の楽しみも、大切に

施設内には、入居者様が楽しめるサークル活動もあります。

・麻雀
・カラオケ
・映画部
・卓球
・手芸部

職員も一緒に参加できるサークルもあり、とても賑やか。

「リハビリや訪問介護などの予定が忙しくて、サークルに参加できないと怒られることもあるんです(笑)」というお話からも、どれだけ楽しみにされているかが伝わってきました。

施設長の石田さんは「園芸」もやりたいけれど、お庭がなくて…と悩まれていたので、これからまた新しいサークルができるのかもしれません。
お楽しみの場があるというのは、生きていく上でとっても大事ですもんね!

小さなことに寄り添う、暮らしの工夫

PDハウスでは、日々の暮らしの中でも細やかな工夫が積み重ねられていました。

– 管理栄養士による、体調に配慮した食事
– 眠りスキャンで睡眠の質を見守る取り組み
– 歩行しやすいように緑を取り入れた視覚的なリハビリ空間
– 移動販売(ローソン)が来る日常の楽しみ
– 卓球やカラオケ、映画部といった笑顔の時間

食事を監修している管理栄養士さん自身が、パーキンソン病を抱えていらっしゃるそうで、病気のことを考えて、朝は卵や乳製品を取り入れたり、ミネラルがいいことから麦飯を取り入れたりしているそう。
そして、職員の方が実食された際に「おいしい」と感じるお食事というのも、すごく素敵なポイントだなぁ~と思いました。

体のことを意識する食事はありがたいけれど、おいしさがそこにプラスされていたら、もう、ほんと最高ですもんね!!

パーキンソン病の方は睡眠が得意ではなく、熟睡することが難しい病気なので睡眠の質には注意を払っているというお話も、生活を支えてくれる上でありがたいなぁと感じました。

どれも「ただ便利」というより、心の支えになる小さな時間だと感じました。

そして何より強く印象に残ったのは、石田さんの言葉です。

「でもやっぱり、お家が一番なんですよね」

その言葉に、会場にいた全員が深くうなずいたのを、私は忘れられません。

“お家”という言葉には、安心・慣れ・愛着――たくさんの想いが詰まっています。
その想いを大切にしたいからこそ、施設でもその人らしく暮らせるように、心を寄せていく。そんな気持ちが、相談会の空気そのものにありました。

「お家」での在宅介護は叶わなくても、少しでもお家で暮らしているように感じてもらえるようにと、面会は9時~17時の間であれば、何時間ご家族にいていただいてもOK!
ご家族がそばにいられる時間を大切にしている姿勢が、随所に感じられました。

感染症予防のため、外出・外泊は月に3回までという制限はあるそうですが、お家に帰れる機会があるだけでも気持ちはきっと違うはずです。

大事な費用や体験入居について

専門施設の素敵な面はたくさんありますが、実際には利用するには費用面の問題もあります。

利用料金は、
・基本料金:約15.7万円
・訪問介護・看護、生活用品などを含めて 月18〜19万円前後 が目安です(介護度により異なります)。

PDハウス新潟紫竹山では、2025年10月~2026年3月入居の方を対象に、月額35,000円割引キャンペーンも実施中。これはとてもありがたいですよね!

また、実際の生活を体験してから入居が検討できる「体験入居」も可能。
・1泊2日〜2泊3日の体験入居
・食事付きで 1泊5,000円(税込)

※入居には医師の意見書が必要なため、検討中の方は早めの相談がおすすめです。

相談会を通して感じたこと

施設の説明を伺いながら、私は何度も「大好きだったおじいちゃんとの時間」を思い返していました。

おじいちゃんが日々の中で感じていた不安や戸惑い、そしてそれを支える人がそばにいてくれたらどんなに違っただろう―そんな想像が胸に浮かぶたび、言葉にならない気持ちが込み上げてきました。

だけど同時に、病気に特化した専門ホームが存在しているとことで、「選択肢があること」の大切さを、改めて感じた相談会でした。

「知ること」で、暮らしが変わる。
「寄り添うこと」で、不安が少し軽くなる。

そんな、一歩一歩の変化を感じられる時間でした。

PDハウス紫竹山様 入居相談会の様子

PDハウス新潟紫竹山 入居相談のご案内

PDハウス紫竹山では、パーキンソン病をはじめとした対象疾患の方のご入居相談を受け付けています。

対象疾患
・パーキンソン病
・進行性核上性麻痺
・大脳皮質基底核変性症
※多系統萎縮症、脊髄小脳変性症の方も対応可

📞 お問い合わせ:025-212-9350
🌐 ホームページ:https://sunwels.jp/pdh/facility/pdhouse-niigata/

※ご入居には医師の意見書が必要ですので、興味がある方は早めのお問い合わせをおすすめします。

【告知】パーキンソン病 勉強会(参加無料・オンライン)

日時
・2026年1月15日(木)15:00〜16:00
・2026年1月24日(土)10:00〜11:00

テーマ
言語聴覚士がお伝えする「パーキンソン病の方の発声と嚥下」
〜自宅でできる簡単な発声・嚥下訓練〜

講師
PDハウス新潟紫竹山 施設長
石田 瑞恵 さん

🔗 詳細・申込:https://sunwels.jp/pdh/event/p-2223/


アピタ新潟西店2階「Komachi介護転職カウンター」では、介護職の転職相談やホーム紹介のほか、さまざまなイベントを開催予定です。

最新のイベント情報はこちらからご確認ください。
🔗 https://carework-niigata.com/

  • 記事を書いた専門家
  • 専門家の新着記事
マミコ

マミコ

グリーフケア・アドバイザー

株式会社ドットコム・マーケティング在籍。 2021年、グリーフケア・アドバイザー1級取得。 2024年、動物医療グリーフケア®「ペットライフグリーフケアアドバイザー」認定。 人生で最もつらく答えのない苦しみに対峙するのが喪失体験です。『哀しむことは愛すること』という言葉を胸に、愛で見守り・愛で受け止め・愛で支えるグリーフケアを目指しています。 グリーフケア分野以外のお悩み相談・カウンセリングでは、自分に優しさを向けて思いやり、自己受容する生き方のサポートを得意とする。

  1. 「お家が一番」を知っているからこそ ~PDハウス新潟紫竹山 入居相談会に参加して~

  2. 自分との信頼関係は一日にしてならず ~ゆっくり長期戦で自分と仲良くなっていこう~

  3. 許せない人がいてもいいんだよ~「許せない自分」をまず許してあげよう~

関連記事

PAGE TOP