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介護福祉士対策講座【介護の基本】

介護の基本の過去問に挑戦①

こんにちは!
先月コラムで触れた介護福祉士の国家試験の合格方法が見直しされるようです!
具体的には、介護人材の安定的な確保につなげるため、介護福祉士の国家試験を働きながらでも受験しやすい仕組みにしようと、試験科目を3つのパートに分け、合格水準に達したパートは翌々年度まで受験を免除する「パート合格」を導入することが厚生労働省の検討会で決まりました!

厚生労働省によると、介護の人材不足の中で介護のニーズは高まる一方で、介護福祉士の国家試験の受験者は昨年度までの4年間でおよそ1万人減るなど減少傾向にあり、人材確保が大きな課題だとしています!受験者の8割以上は介護現場などで働きながら、就労と学習を両立している背景もあることから、働きながらでも受験しやすい仕組みに見直すための議論が進められ他とのことです!

そして専門家による検討会で9月11日に介護福祉士国家試験の13ある受験科目を3つのパートに分け、一定の合格水準に達したパートについては翌々年度の試験まで、受験を免除する「パート合格」を導入することが決まりました。再受験する際は、不合格だったパートのみの受験もでき、受験する意欲を維持しやすくするねらいがあるということです!
厚生労働省は来年度の試験から導入する方針で、「介護のニーズが多様化し、今後より多くの介護人材が求められる中、新たな受験の仕組みを導入し、利便性を高めることで介護福祉士を目指す受験者の増加につなげたい」としていますとの報道がありました!これにより介護福祉士の人材増加につながることが期待されています!この辺については今後もコラムで触れていきたいと思います!
そして今回は「介護の基本」の過去問を使って学んでいきたいと思います!この科目は介護に関する知識について幅広く学んでおく必要があります!以前は16問ありましたが、現在は10問の出題となっています!そのためマニアックな問題が多かった以前に比べ「介護」に関する基礎知識を問う問題が増えているように感じます!
介護の基本の学ぶべきポイントは以下の通りです!

介護の基本は「広く浅く学ぶ」必要があり、介護福祉士国家試験はマークシート方式のためイメージで解くことが重要です!
☆介護福祉士の定義と義務、倫理綱領については「心身の状況に応じて」と「秘密保持は逮捕される」ことを押さえておきます!
☆ICFについては、心身機能・身体構造は「状態」、活動=「ADL、IADL」、参加=「QOL(楽しみ)」のすみ分けで覚えておきましょう!
☆介護の基本は「利用者中心・在宅1番・自立支援」です!
 →「車いす、おむつ、入所」はNGワード、身体拘束は一時性、非代替性、切迫性です!
☆高齢者、障害者のある人の使える制度(介護保険、障害者総合支援法、生活保護の仕組みやサービス内容、誰が使えるかを把握)や相談先も押さえてきます!
 →虐待疑い、サービス利用の相談:地域包括支援センターになります! ※他はだいたい市町村です!
☆他職種連携、チームケア:それぞれの専門職の役割(例:看護師、PT、OT、ST)を押さえておきます!
☆リスクマネジメント:事故発生の対応、事故時は市町村へ報告、感染対策を押さえておきます!

では過去問から確認していきます!

【第30回 問題18】
社会福祉士及び介護福祉士法に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1  介護に従事している者は、介護福祉士を名乗ることができる。
2  介護福祉士の業として、介護者に対する介護に関する指導が含まれる。
3  成年被後見人や被保佐人は、介護福祉士となることができる。
4  介護福祉士は信用失墜行為をした場合、罰則により1年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられる。
5  介護福祉士国家試験に合格した日から、介護福祉士を名乗ることができる。

では解説していきます!

1:× 登録して初めて名乗ることができます!
2:○
3:× 禁固刑や処罰、取り消し後2年間は介護福祉士にはなれません!
4:× 信用失墜行為の禁止は登録の取り消しなどの処分があります!1年以下の懲役があるのは秘密保持です!「秘密を守れなければ逮捕」です!
5:× 登録する必要があります!

医療的ケアの過去問に挑戦②

ここからは、介護福祉士の基本的な対応に関する過去問も確認しておきましょう!
【第35回 問題69】
Bさん(82歳、女性、要介護2)は、若いときに夫を亡くし、家で仕事をしながら子どもを一人で育てた。夫や子どもと過ごした家の手入れは毎日欠かさず行っていた。数年前に、アルツハイマー型認知症と診断され,認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居した。夕方になると、「私,家に帰らないといけない」と介護福祉職に何度も訴えている。
Bさんに対する介護福祉職の声かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「仕事はないですよ」
2 「ここが家ですよ」
3 「外に散歩に行きますか」
4 「家のことが気になるんですね」
5 「子どもさんが『ここにいてください』と言っていますよ」 

解説していきます!この問題では、家に帰ると訴える背景を考え、その気持ちに寄りそった発言を選ぶ選択肢が正解になります! 声かけは「受容・共感・傾聴」が大切です!
1:× 否定の対応は×です!
2:× Bさんの世界観を無視した対応です!また、認知症のため理解することが難しいです!
3:× 根本的な解決になっていません!
4:○ 思いを受け止めています!受容の対応です!
5:× その場しのぎの発言は×です!現場で行う場合がありますが国試ではその場しのぎはNGです!

「介護の基本」は広く浅く学ぶことがポイントで過去問を繰り返し行うことで傾向と対策をつかみやすくなります!介護福祉士の基本的な対応を知っておくことが重要で、よく考えれば解ける問題も多いはずです!落とし穴としては解きやすい問題ゆえにケアレスミスに注意です!落ち着いて問題文と選択肢を良く読み込むこと必要があります!もう1つは、「現場のYESは国家試験ではNG」になることがあることです!そのため、過去問からきちんと介助時の対応の基本や注意点を理解しておきましょう!あくまでも国家試験正解のために頭を切り替えておきましょう!

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板垣大介

板垣大介

介護福祉士国家試験対策講師

現在MSWと介護支援専門員の2刀流で活躍中。社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員の資格を持ち、介護現場で勤務ののち、介護福祉士養成の専門学校の教員として勤務。そこで介護福祉士を目指す学生に福祉の魅力を伝え、多くの卒業生が介護現場で活躍している。また介護福祉士国家試験対策のスペシャリストとして、学生だけでなく、現場で介護福祉士を目指す方たちの国家試験合格をサポートして結果を残した。介護分野だけでなく、幅広い福祉分野で新潟の医療福祉業界を盛り上げたいと考え、現在は医療福祉の現場で日々医療福祉を必要とする方とその家族のQOL向上を目指して奮闘中。趣味はバスケットボールと広島カープの応援。

  1. 介護福祉士対策講座【介護の基本】

  2. 介護福祉士対策講座【介護福祉士になるチャンスの拡大】

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