はじめまして!bambino tesoro 株式会社の帆苅です。
この度ご縁をいただきましてコラム掲載させていただくbambino tesoro 株式会社(バンビーノ テゾーロ)の帆苅有希(ほかりあき)です。よろしくお願いいたします。
弊社では、採用と人材育成をメインとした人材コンサルティング事業を行っております。 私は医療介護福祉系の人材紹介会社に10年弱在籍し、出産と共にUターンし新潟へ戻ってきました。
多くの事業がある中で特に福祉に携わる現場には「人材」課題が長年に渡ってある事と、人材紹介会社への手数料問題とアンマッチによる早期離職での採用コストの膨大さがあると感じています。
この課題を緩和したく、低コストで各企業様ごとに異なる人材課題の必要なもののみ切り分けてカスタマイズして導入できるコンサルティング企業がないことに気が付き、思い切って法人を設立いたしました。
この業界は特に女性比率の高い業界でもあります。私自身もまだ未就学児2人、小学生1人の育児の最中です。自身の体験や全国での企業様の取り組みを前職で得た経験値をもとに、より新潟の医療介護福祉の現場に活かせるノウハウを、弊社を通じて広げていきたいと考えております。
健康経営とは
みなさんも一度は「健康経営」というワードは耳にしたことがあると思います。
この言葉は、NPO法人健康経営研究会が登録商標している言葉で、経済産業省の健康経営優良法人認定制度で地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実施している法人を顕彰する制度の指標のことです。
経産省のHPより詳細が閲覧できるのでぜひご覧になってください。 実際に医療法人、社会福祉法人等の評価結果を見てみると、平均偏差値51と出ております。
経済産業省ヘルスケア産業課[健康経営の推進について]より
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/kenkokeiei_gaiyo.pdf
最大偏差値は66なので差が大きいことがわかります。また、2022年度の申請では新潟県から70社、全体の業種別では53件も増えています。(中小規模法人部門)
このコラムをご覧の方の中にももう取得さている方もいらっしゃるかと思いますが、認定要件は非常に細かく、時間がかかります。そこを弊社がサポート役として入らせていただき、現場に定着しやすく、かつ継続的に実施ができるように導入しています。
認定要件の達成は15項目中13項目以上
実際の認定要件はこちらです。
経済産業省ヘルスケア産業課[健康経営の推進について]より
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/kenkokeiei_gaiyo.pdf
実際に15項目中13項目を策定することはご覧になっていただけるとわかりますが、可能な範囲です。
ですが、現状では継続的に実施できているかという点においては、黄色の健康経営の実施に向けた土台づくりや青色の具体的な健康保持・増進施策は残念な結果になっている企業様がほとんどになっており、結果的に離職率は改善されていないということが多いです。
直近のケースでは、「せっかく管理職のマネジメント研修を1年間数百万円もかかって入れて育てたのに退職してしまった。後任が育ち切っていないまま任せることになってしまい、申し訳ない気持ちと負担がかかって困っている。」というご相談です。
その方の具体的なご退職理由はやむを得ない場合もありますが、ほとんどのコンサルティング会社では導入後の手が離れた時の現場のことまでは考えていないことがほとんどです。ビジネスなので仕方のないことですが、定着して初めてゴールと私は考えています。このご相談を頂いた企業様には、1年半をかけてマネジメント研修・コミュニケーション研修・メンタルヘルス研修・1on1研修を管理職の方と次期管理職候補の方に行いました。
その結果、離職率0%を達成し、従業員満足度調査では11%も数値が改善しました。現在では社内が落ち着いているため採用活動にシフトして、新しい人材の確保と育成へ取り組んでいます。
女性の働きやすさとは
介護現場における女性の比率は、平成25年度の介護労働安定センターによる介護労働実態調査では介護職員の正社員で男性32.6%、女性が67.4%と圧倒的に多いことがわかっています。非正規も同じことが言えると思います。また、年齢での構成を見てみると、女性は40代〜50代が一番多く男性は20代〜30代が多い傾向がありました。
(※)参照元:公益財団法人介護労働安定センター [平成25年度 介護労働実態調査PDF]
女性の働きにくい・ストレスを感じる職場の代表例には、「人間関係が良くない」「急な休みが取りにくい」「キャリアアップがしにくい」が代表して多く、長期的に見てライフイベントが起きた時の自分の働く姿が想像できない場合に転職を選択しています。
その反面、上記課題がない場合はライフイベント後に復職したい女性は戻りたいと考えており、働きたい母親が多いのも特徴です。働きがい・やりがいを感じているため、業界を離れる選択肢がないのがこれでわかると思います。
ここからは耳の痛いお話です。
こちらはインドの大富豪の方がSNS上にあげたイラストです。(かなり有名なイラストです)
女性が社会的に成功する難しさを表現したものになります。
ここで一つだけお伝えしたいのですが、男性が何もしていないとは思っていません。私は現在まで7,000名以上の支援をしてきて、男性は女性が社会的に活躍できるために何をしたらいいかがわからない方が多いと確信しています。
一つの例ですが、このイラストであれば男性でもできることを洗濯一つでもいいので分担すると女性はその分活躍できます。これは法人内組織でも同様です。有給の取得を1日単位でなく時間単位で取れるようにする。その使い道の名前をライフイベント毎に名づけて福利厚生の一つとして取り入れ結果が出たことがあります。
導入例:時間単位での有給取得
産前:マタニティ休暇
産後:ベビー休暇
幼児期:キッズ休暇
就学時:ならいごと休暇
病児:通院休暇
お子様の年齢に応じた、健診や保育園・学校等の行事への参加、各家庭毎に違う習い事への配慮を、社内で循環させるために同じ有給休暇を取得するにしても言いやすい環境を作って、独自の取り組みとして社内環境を整えることが必要です。こちらの法人では子育て世代の満足度が改善され離職もなくなりました。
人手不足を解消する方法
「よく聞く金銭的なサポートよりも、日々のストレスをなくす方が人気の職場になる。」
ライフイベント後(特に出産)に復職した方へお話を伺うと、時短勤務の肩身の狭さや残業時の同僚とのコミュニケーションにストレスがないから復職したいと思えた。と復職した方の多くが答えてくれます。
逆にご相談いただく求職者の方たちは、急な休みが申し訳なくて苦しくて転職をしたい・1年間は産後の育児休暇を取れると思っていたけど現場状況を知っているからこそ気がもめて区切りのいいタイミングで復帰を余儀なくされたという方が多いです。前述でお伝えした離職の原因NO.1の人間関係にはこういった内容も含まれています。
また、復職後のメンバーが顔見知りで子育て経験がある方であることも、長期勤続してもらうためには好条件です。新卒採用でも「ホワイト度=女性に優しい職場」がランキングに入ってきています。 ワーキングマザーであり、現在も子育て中の私だからこそできる「ホワイトな健康経営」をこれからも伴走させていただき、お世話になった業界を、自分の住む街を、これからも元気にしていきたいです!