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AIを使うと頭が悪くなる説

AIを使ったら本当に頭が悪くなるの?

最近、介護現場でよく聞かれることがあります。
「AI(人工知能)を導入して会議の議事録や介護記録を作成したいと思ってるけど、上司から、考える力がなくなるからダメだと反対され、使わせてもらえません。実際のところ、AIを使ったら本当に頭が悪くなるんですか?」

結論から言います。AIを使って頭が悪くなるなんてことはありません。

過去にも、パソコンを導入するかどうかで、同じような議論がありました。
さて、Windows95から早や30年が過ぎ、今ではほとんどの人がパソコンやインターネットを使っています。
では、我々は、バカになったでしょうか?
スマホを使い過ぎてバカになったでしょうか?
TikTokのせいでバカになったでしょうか?
そんなことはないはずです。
私はむしろ、AIやDXを拒絶している人たちの方が、頭が悪くなっちゃうんじゃないかと心配してますが(笑)

我々の進化や成長、そもそも学びとは、真似ることから始まるものです。
真似をする対象は、親であったり、先輩であったり、教科書であったり、さまざまですが、まずは真似をして、再現して、繰り返して、そしてだんだん自分のものとなって、その先に工夫や改善が生まれるのです。
AIで議事録をまとめたり、介護記録を作ったりすることで、「なるほど、こんなまとめ方があるのか、こんな表現があったか、こうすればよかったのか」と学ぶことができます。
もちろん、AIに任せっきりはダメです!! AIがやってくれた仕事をちゃんと確認し、問題がないかチェックし、間違いがあれば修正しなければなりません。
こういうプロセスを踏むことで、自分自身のアイデアとなり、また次のステップに進むことができるのです。

介護現場における生産性の向上は必須です!!

もちろん考えることは良いことです。思考を重ねるのは重要なことで、思考を広げ、思考力を伸ばすトレーニングとして有効です。
ですが、真似をしたり、参考にしたりする対象がない状況で、自分ひとりでゼロから考えてアイデアを出さなければならないとしたら、それは大変時間のかかる作業となります。
そもそも、考えること=思考とは、自分自身の知識や経験をもとに頭を働かせ、物事の判断や問題の解決に向かって道筋を組み立てるプロセスです。
ですから、知らない言葉が突然口から出てくることがないように、知識や経験もなく、ただやみくもに考えたって、何のアイデアも出てこないのです。

そして、重要なのは、みなさんの業務時間には限りがあるということです。
特に介護現場では、業務中にじっくり考える時間を作るのは非常に難しいことです。誤解を恐れずに言えば、それはむしろ無駄な時間です。
なぜなら、介護現場の本質はケアの提供であり、現場では、考える時間、記録する時間よりも、優先すべきことがあるからです。

別の言い方をすれば、介護現場では、仕事は、考えなくともできる、そうした状況、仕組みをつくることが目指すところだと思っています。
そもそも、あなたの施設では、じっくり考えて議事録を作成したり、介護記録をまとめたりするための時間が確保できていますか?
あるいは、議事録の書き方、介護記録の書き方を教えられる人や時間が確保できていますか?
そうした体制や仕組みができていないにもかかわらず、現場の業務に追われる職員に「自分で考えて」というのは、あまりに効率が悪過ぎます。
もしも、お金に余裕があるか、あるいは人や時間に余裕があるか、そうした恵まれた環境が整っているのだとしたら、まぁ、自力でゆっくり考えてやればいいと思います。ですが、そんな施設はまずないはずです。
ならばやはり、介護現場における生産性の向上は必須です。
ですから、議事録の作成などに時間をかけていないで、ぜひAIを使ってササっと仕上げることをおススメします。

AI導入を拒絶するのは嫉妬心?!

AIの導入を頑なに拒絶するパターンにおいては、心理的な要因もあります。むしろ、こちらの方が大きいかもしれません。
「俺の時代はそんなのなかったから、AIでサクッと仕上げられたら悔しい」とか
「俺も昔はさんざん苦労したけど、そのおかげで成長できたから、お前も苦労しろ」とか
「俺はAIなんてよくわかんないから、とにかくヤダ」とか
要するに、劣等感、嫉妬心ですね。
これは、「私、聞いてないけど」と言っては、チームの決定を止めて邪魔する面倒くさい人のパターンと同じです。嫉妬心からくる孤独感の反応とも言えます。
孤独感を持つ人というのは、周りの熱意を感じると、なぜか逆のことをしたがります。
それは、ある種の注目欲求かもしれません。これが、リーダーや施設長など、権限のある人だったりするからやっかいなのです。面倒くさくても、無視できないですからね。

少し、話が逸れてしまったので、この嫉妬心についてはまたどこかで記事にするとして、ともかく、もし仮にAIを導入することで何かしらのデメリットがあったとしても、そもそも介護現場においては、デメリットの影響が出るほどAIを使える場面は多くありません。
もしかしたら、メリットだって実感できるほど成果は出せないかもしれません。
ならぱ、気軽に使ってみたらいいんです。ということで、ぜひ、AIを導入してみてください。

まとめ

最後にもう一度。AIを使っても、頭が悪くなることはありません。
なので、会議の議事録や介護記録の作成などはAIに任せて、その時間を「ケアの提供」に充てましょう。

なお、最近、アメリカのAI開発の研究者たちから、AIの進歩があまりに速く、AIが人類を滅亡させる可能性がある、というなかなかショッキングな警告が相次いでいますが、この件は、AIの進歩が凄まじ過ぎるゆえの懸念であり、今回の「AIを使ったら本当に頭が悪くなるか?」とは別の問題なので、ここでは触れていません。

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知野吉和

知野吉和

介護人材育成アドバイザー・介護教員

新潟県加茂市出身・福祉系の専門学校卒業後、老人保健施設、特別養護老人ホーム、福祉用具貸与事業所、居宅介護支援事業所を経て、ヘルパー2級講座の講師を27歳から始める。その後現場の介護職員を対象とした研修講師を務め、10年ほど前から業務改善の支援を行う。組織改善において、あらためて思うことは、現場職員のスキルアップよりも、やるべきことは、組織のルールづくりです。管理者、リーダーの役割を明確にすることが内部統制、チームビルディング、生産性の向上につながります。感情労働であるからこそ、現場に振り回されないために、ルール作り、組織づくりの基本に立ち返ることをお勧めいたします。

  1. AIを使うと頭が悪くなる説

  2. 組織の真の課題は見えていますか?

  3. リーダーには椅子に座って考える時間が必要

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