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介護ココロのケア

自己肯定感を高め・育むためにしてあげられること ~×を〇に変えていこう~

ケアカレッジ「介護のココロのケア」担当、グリーフケアアドバイザーのトサです。

近年よく耳にする言葉に「自己肯定感」というものがあります。

自己肯定感とは、読んで字のごとく「自分のことを肯定すること」なのですが、無条件でどんな自分にも「〇」を付けてあげること。

ポジティブに「自分のいい所」を見つけて褒めるということも、自己肯定感を育む上で力にはなってくれますが

自分にとっての好ましい点も・好ましくない点も受け入れるのが自己肯定。

「長所や個性的で秀でた箇所」「よくできたこと」以外にも、「欠点やうまくやれないこと」「落ち込んでいる今の自分」に対しても

それはしょうがないよね。
これが、「今の」私だもんね。

と受け入れ、そんな自分を肯定してあげる「自分の一番の理解者・味方」になってあげることです。

どうして「自分のダメな部分」を受け入れられないの?

私たちはみんなそれぞれ、自分の中に「マイ・ルールブック」を持っています。
心理学ではこれを『観念』と表現しますが、自分の世界の中での「良し悪し」をジャッジ(判断)するための基準となるもの。

・完璧にやり遂げるべき
・人に迷惑をかけてはいけない
・もっとしっかりしなくてはいけない
・人から一目置かれるべきである
・バカにされないように
・つらいときでも明るく振舞うべき
・苦手な人のいい面も見つけるべき
・空気を読むことは大切だ

などなど、これらの「こうすべき」「こうしたほうがよい」「これはいいがこれはダメ」といった基準やルールを、みんなそれぞれに自分独自に持って生きています。

学生時代、校則ってありましたよね?
髪の色や制服の着こなし方、持ち物や登下校での振舞い方など、守るべきルールがありましたが、ルールが多ければ多い程、窮屈で反発したくなってしまいます。

これと同じように、自分の中のルール・基準(観念)が多くなればなるほど、ルールに縛られるため、窮屈で生きづらくなってしまいます。
どんどん不自由になり、身動きできずにしんどさを感じます。

このルールは人によって色んなものがありますが、なぜ生きづらさを感じている人ほど「マイルール」が多くなるのでしょうか?

ルール(観念)というのは、自分を守るために作られるものです。

過去に体験した出来事で「痛み」を感じると、この先にもう二度と同じような痛みを味わうことがないように…と、自分を守るために「ルール化」して持つようになります。

観念は、過去に「これがもとで叱られた」「これで恥ずかしい思いをした」「これで嫌われた」といった、とってもつらい体験と紐づいているので、とっても強力なものなんです。

ダメな部分=嫌われたり、バカにされたり、情けないと思われたり、ガッカリされる…と思っているのですから、自分のルールに反した自分を「受け入れる」なんてできません。

そして、私たちは誰よりも厳しく自分を監視し、「マイルール・基準」によって自分をジャッジしてダメ出しをしてしまいます。

完璧にできていないから、×。
仕事でミスをして人に迷惑をかけたから、×。
こんなこともできないバカな私だから、×。
職場で苦手な人のことにイラッとする私は、×。

こんな風に、自分ルールを元に、毎日いーーーっぱい『自分に×をつける』ことをしているうちに、自己肯定感が低いと呼ばれる状態が出来上がっていきます。

自己肯定感を育むために、自分にいっぱいマルをあげよう

自己肯定感を高める・上げるというのは、自己肯定感を低くしていることと逆のことをすればいい訳ですよね?

ということは…

自分に対してダメ出しをして「×」をつけていたものを「〇」にしてあげればいいということ。

ダメ出しするのをやめて、ルールや基準通りにできない自分を『許し』『受け入れる』ことです。

「×」を「〇」に変えるとは言いますが、自分の中には『自分を守るためにできたたくさんの基準』がありますから、どうしたって反応してしまいますし、ダメポイントや心がチクッとしてしまうことはなくせません。

でも、それをその都度「許して受け入れる」「理解しようとする」ことで、×の角をじわじわと丸めて行きながら、自分にダメ出しし過ぎないようにしていくことから、自己肯定感を育てることができていけます。

完璧にはできなかったけれど、それでもいいんだよ。
70点を目指すことにしようね!

迷惑をかけるのはやっぱり嫌なことだけれど、助けてもらえてよかったね。
次に〇〇さんが何かあったときに助けてお返しできたらいいよね。

こんなこともできない…けれど、それが私なんだよね。
できる範囲で頑張っていたこと、私は知ってるよ。

苦手な人のあの態度には、イラッとしちゃうよね。
感情は反射的に起きるものだからしょうがないよ。

ダメ出しの元になる「ルールブック」は、自分が傷つかないようにするためのものですから、とっても強固で簡単には「〇」とは言ってあげられません。

だからまず、〇の前に「しょうがないよね」「そうするしかなかったよね」と、自分を許して受け入れていくことがとってもとっても大切です。

何と表現するのがいいのかなぁ…。

うん、〇に近い△を自分に出してあげることを、ちょっとずつ練習していくこと!!

これならば「やれるかもしれない」って思いませんか?

自分基準を和らげていくことで、人間関係も柔らかくなる

さて、この「マイルール」ですが、たくさんあればあるほど人にも厳しくなります。

たとえば、頼まれた仕事は「完璧」にやるべきだ!というルールを持っていたとしたら、他の人にお願いした仕事が「自分から見た時に完璧に見えない」と、なんでこんな状態で終わりましたって言えるんだ?!とイラッとします。

でも、この「完璧」って何でしょう??
もしかすると、相手にとっての「完璧」の基準が違っていたら、仕事を仕上げてくれた人にとっては「よし!!」というレベルで提出して来ている訳ですよね。

また、完璧さを求めるルール以外にも「言われなくてもこれくらいは理解すべき」「相手の願いをくみ取るのは当然だ」というルールがあれば、

こうこうこうやって、このレベルになったら報告して欲しい

といった「具体的にやって欲しいこと」までは伝えずに、勝手に期待して報告を待ってしまいます。

そして、完璧さのズレを元に一人でイライラして、そんな風にイライラした後で「人にイライラする自分はダメなんだ…」というルールを元に自己嫌悪する。
まるで負のループです。

ルールはたくさんあればあるほど、細かければ細かいほど、それを守るために疲弊していきます。

自分のルールを守るために努力し、しんどいけれど我慢して頑張るのですから、他の人が「のほほん」としているように見えたり、基準が緩いのを見ると

私はこんなにがんばってるのに!!
何であの人は、あんなに適当なの?!

と、相手のことを否定的な目で見てしまいますし、当然怒りの感情も湧いてきます。

私はこんなにがんばってるんだから、あなたも頑張るのが当然でしょ?!と、相手を見るためにかけている「メガネ」の度数がきつくなり、粗ばかりが見えてしまいます。

でも、マイルールをすこしずつ和らげるために、出来ない自分・うまくやれない自分に「△」をつけてあげる練習をしていると、相手に対しても柔らかい目を向けられるようになります。

完璧に仕上げたいけれど、ここまでが精一杯だもんね。
悔しいなぁ。でも、しょうがないよね。

と自分に言えるようになれば、当然ですが他の人に対しても「うまくやれなくてもしょうがない」という目を向けられますものね。

今まではカリカリしていて近寄りがたい空気を出していたあなたが、自分に「△」をつけてあげて、自分のルールに沿えない自分を許すことができるようになればなるほど、他の人に対するジャッジもゆるまります。

当然ですが、それまでは嫌な顔や態度をしてきた人が、そうではなく「お疲れ様」「ありがとう」って優しく声をかけてくれたら、相手側があなたとの間に張り巡らせていた壁が少しずつ崩れたり薄くなっていき、いい関係に変わっていけます。

自分へのダメ出しを減らしていき、ダメな部分を受け入れ続けてあげることで、自己肯定感を育むことは

結果として周りの人間関係も良好なものに変えていくことができます!

ほら、自分が変わると周りが変わるっていうじゃないですか?
あれです、あれ。

自分が緩めばゆるむ分だけ、人に対してもおおらかな目を向けられます。
自分のダメさを「あはは」って苦笑いできればできるようになる分だけ、人の失敗や欠点も受け入れやすくなります。

誰だって厳しい人よりも、おおらかに受け入れてくれて、失敗にも寛大な人の前の方がのびのびと振舞えますし、委縮しない分、より良い結果を出せますから、自分自身を許して受け入れ続けることで、ダメ出しをしてルールに雁字搦めになっていたときよりも「軽やかにルールを守れる私」になれちゃったりもします。

ほんと、自分にダメ出しをするのを弱めていくって、とってもとってもいいことばっかりなんです!!

傷付いて悲しい思いをした自分にこそ、優しくしよう

過去に嫌な思いや、体験したくなかった痛みがあったからこそ、自分にたくさんダメ出しをするようになったのですものね。

自己肯定感が低い状態になるしかないくらい、いっぱいダメ出しをしちゃう自分、生きづらい自分のことをまずはギューーッと包み込むようにして抱きしめてあげてください。

こんなにたくさんのルールを持つほどに、耐えてきたんだよね。
こんなにいっぱい頑張って、大変だったよね。
私、よくやってきたよね。お疲れ様。
傷付いちゃったもんね、苦しかったもんね。
ダメ出ししちゃう癖がなかなか抜けないよね、それでもいいんだよ。
ゆっくりやっていこうね。

自己肯定感を育てるために「×」を「△」に変えよう!と思っても、そんなに簡単にはうまくやれずに肩を落とすこともたくさんあります。

自分を肯定できる力をつけるために努力したはずが、それを理由に自分を責めて、自分をますます嫌いになるなんて残念過ぎますから、どうぞ自分に対してはうーーんとうーーーんと「優しいまなざし」を意識して向けてあげてください。

だってね、ダメ出しは「好きでやっている」んじゃないんです。
傷があるから、痛みや悲しみがあるからこそ、自分を責めちゃうんです。

傷や痛みがあるときは、優しくしてあげるべきですものね。

そして不思議なのですが、自分に対して優しくしてあげて、ダメ出しをやめれない自分を許す…ということをしていると、だんだんと「許す」が上手になり、気付いたら自己肯定感が高まっていたりします。

自分を生きやすくするための自己肯定感の高め方・育て方は、色んなアプローチがあるのですが、今日は「自分を許して、×から〇…が難しければ、まずは△を目指す」ということをご紹介させていただきました。

今日の夜、自分反省会でダメ出しをしちゃう時間に…

×…って思っちゃったけど、とりあえず△にしておく!!訂正、訂正!!

と、自分に微笑みかけてあげてみてください。

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トサ

トサ

グリーフケア・アドバイザー

株式会社ドットコム・マーケティング在籍。 2021年、グリーフケア・アドバイザー1級取得。 2022年、動物医療グリーフケア・アドバンス講座終了、23年10月よりペットライフグリーフケアアドバイザー認定に向けてステップアップ予定。 人生で最もつらく答えのない苦しみに対峙するのが喪失体験です。『哀しむことは愛すること』という言葉を胸に、愛で見守り・愛で受け止め・愛で支えるグリーフケアを目指しています。 グリーフケア分野以外のお悩み相談・カウンセリングでは、自分に優しさを向けて思いやり、自己受容する生き方のサポートを得意とする。

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