あなたは試練から何を学び取り、今後どのような生き方を目指していきますか？
『リト』という書籍の中で、作家の山元加津子さん（かっこちゃん）・筑波大学名誉教授（故）村上和雄氏からの問いかけに心が震えました。私の人生は正にこの問いかけの繰り返しでした。子どもの頃から不器用で、運動神経は鈍く、勉強も苦手、失敗ばかりで友達もほとんどできない。そんな自分が大嫌いな子ども時代でした。社会人になってからも状況は変わらず、辛く生きにくい時代が長く続きました。こころ折れながら立ち止まりながらも頑張ることを止められませんでした。
２００３年ヒトゲノムの遺伝子暗号が解読されました。人を設計している染色体の遺伝子情報（DNA配列）と染色体のどこにどんな遺伝子情報が書かれているか明らかになりました。この偉大な働きを『サムシング・グレート』と呼んでいます。世界の学者の全知識を集めても世界中の富を集め研究しても、大腸菌一つとして元からつくることはできません。細胞1個でも生きていることはすごいことで、ましてや人間が生きていることはただごとではありません。大人の細胞は平均37兆個といわれ、全てに命があり毎日喧嘩もせず見事に生きているのは奇跡的なこと。これだけ精巧な設計図を書いたのはまさに奇跡。この大自然の偉大な力『サムシング・グレート』によって、私達は生かされているのです。生きとし生けるものすべて同じ原理で生かされており、太陽、水、空気、地球などのおかげで私達は生かされているのです。科学的に偏り、弱肉強食、優劣の考え方では、やがて滅びると。これからの時代は命の親である『サムシング・グレート』に感謝して生きるという考え方が世界中で必要となってくるでしょう。 以上 村上氏の言葉より抜粋。
今年、コロナウイルスが五類感染症に分類されました。３年間世界中の流通が止まり困難な状況になりました。38億年前に地球上に次々と生命が誕生し命は受け継がれ人類が誕生しました。ウイルス誕生はおよそ30億年前のこと、ホモ・サピエンスが誕生したのはわずか20万年前なので、ウイルスの方が大先輩。ウイルスと戦って勝とうなんて到底無理な話。地球上のあらゆる生き物は地球を離れて生き続けることはできないそうです。同じ一つの命としてもっと多くのものと共存し責任と喜びを分かち合う。そうした生き方ができれば奇跡的な確率で生きていることをもっと素直に喜び合えるはず。「かっこちゃん僕の思いをみんなに伝えてね。」と村上氏から遺言を託されました。
もう一人、かっこちゃんのかつての教え子で多発性硬化症を患い亡くなった雪絵ちゃんという女の子からも『一人ひとりが違ってみんな素晴しい。唯一の存在だということ。すべてがいつかのいい日になる為に、あるということを世界中の人に伝えて』と託されたそうです。
私を育ててくれた、亡き祖母の死に目に会えなかったこと。恩返しもせず感謝のひと言も言わないうちに、二度と会えなくなってしまった後で感じた後悔と無念。それが一番の動機で看護師になろうと決心しました！当時30代なかばで２人の子どもを抱えたシングルマザーでした。
この広い地球の中で、家族として生まれ巡り会えたこと。学び舎を共にしたこと。友達になったこと。職場の上司、部下、同僚として出会ったこと。悲しみ、苦しみを味わう。病気になる。全てに意味があると思います。私にも亡き祖母と、家族から受け取ったメッセージ。２０年の看護師時代に出会った患者様達からのメッセージがあります。寝たきりの人。お看取りした人。長年の生活習慣から、ある日突然事故や病気で麻痺になった人。不自由な身体や病を受け入れきれず、心の葛藤を抱えた人。社会的地位や役割の損失を受け入れられず、行き場のない憤りや喪失感、プライドを、目の前の医療従事者や生活援助者にぶつけるしかない人。様々なことを体験し、学び、氣づかされました。白衣の天使なんて綺麗ごとの世界ではなく、むしろ頑張れば頑張るほどブラックな自分の心の内側に嫌というほど向き合わされました。
出会った人達全てが自分を映す鏡となって見えた多くの「氣づき」から！
『呼吸』するように、自分自身と目の前の人を大切にしていきたいと思います。現場を離れても、別の視点から医療、福祉、教育現場へ恩返しをしていきたいと思います。不器用でポンコツな私だからこそ皆さんへ伝えられることがあると信じて!!!
あなたを大切にしてくれる人に会いにいこう。あなたを大切にしてくれる人といる時間を大事にしよう。誰よりもあなた自身のことを大切に想い、自分がかけがえのない存在だと信じられるようになるまで、私も寄り添っていたいと思います。そんな心の居場所として『心のバリアフリールーム』を10年前から開催しています。ここに来て一緒にお話しませんか？
