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介護福祉士対策講座⑤(認知症の理解)

第36回介護福祉士国家試験の認知症の理解の分析

こんにちは!今年度の社会福祉士国家試験の合格率が58.1%と過去最高の高さとなりましたね!第35回の介護福祉士国家試験の合格率も高かったことを考えると、福祉系の国家試験の出題傾向が変わってきているかもしれないです!この辺もきちんと私なりに考えていきながら国家試験対策講座やYoutube配信をしていきたいと思います!というわけで今回のコラムは第36回介護福祉士国家試験の「認知症の理解」について私なりに分析してみたいと思います!
全部で10問出題されましたが、どの分野から出題されたのか大まかに分けてみます!

・認知症の方に対する法律、制度:問題39
・認知症の中核症状、行動・心理症状(似た症状含む):問題40、問題41、問題44、問題45
・認知症の種類とその症状:問題42、問題43
・認知症の症状の特徴と対応(必要なサービスを選ぶ):問題47、問題48
・認知症に対する療法:問題46

こう見てみると、やはり「認知症の特徴的な症状」「認知症の種類とその出現症状」から多くの問題が出題されています!逆に例年出題されていた「認知症の方を支える地域」についての出題がありませんでした!これは認知症サポーターや認知症初期集中支援チームなど認知症の方を支える支援」についてですが、もしかすると第37回で出題されるのかもしれません!昨年度からのカリキュラム変更による「認知症ケアの実践力の向上」が追加されていることを考えると、実践的な問題も増えてくるかもしれません!この分析を踏まえて第37回介護福祉士国家試験対策講座などを行っていければと考えているのでよろしくお願いします!

認知症の理解①

認知症の理解の科目の勉強していくポイントになります!
☆中核症状とBPSDのすみ分けを押さえる(中核症状は暗記しておくとよい)
 ※見当識障害は中核症状、これがあるから徘徊(BPSD)が出現
 ※中核症状:認知症の人誰にでも出現(これがあるから認知症)
  BPSD :個人差がある

☆認知症の人の対応療法を確認する(それぞれの考え方や何をするのかを押さえておく)
・パーソンセンタードケア 
・ユマニチュード 
・バリデーション

☆認知症ケアの環境(それぞれどんなことをするのか、どんな職種の方がいるのかを確認しておく)
・認知症サポーター 
・認知症カフェ 
・認知症コールセンター
・認知症初期集中支援チーム 
・認知症疾患医療センター
・認知症ケアパス

☆認知症評価スケール(認知症の簡易診断)
【質問式】長谷川式(20点以下)、MMSE(図形模写など動作性課題
【観察式】FAST(アルツハイマー)、CDR

このように内容については参考書やYoutubeなどで詳しく確認していただければと思いますが、出題の特徴はこのような部分が多いです!内容がよくわからなくても出題傾向さえ押さえておけば、より効率的に勉強できます!いつも伝えていますが、125問中45問は間違えていいのです!なので大枠で勉強していくことが非常に重要になります!

認知症の理解②

次に認知症のそれぞれの特徴について押さえておきましょう!認知症の種類について「この症状があるAさんがいる。Aさんの認知症の種類は何?」というような出題パターンがほとんどです!さらに認知症の種類と特徴は出題頻度も高いので必ず確認しておきましょう!

①アルツハイマー型認知症
・脳の萎縮 ・女性に多い ・もの盗られ妄想 ・認知症で最も多い ・緩やかに進行

②血管性認知症
・頭痛,めまい ・片麻痺,言語障害 ・男性に多い ・感情失禁 ・まだら認知症 ・階段状に進行

③レビー小体型認知症
・幻視 ・パーキンソン症状(歩行障害など) ・日内変動

④前頭側頭型認知症(ピック病)
・人格変化 ・反社会的行動(脱抑制) ・常同行動

⑤慢性硬膜下血腫
・頭痛、めまい ・数か月後に症状出現 ・血腫取り除く手術で治る

⑥正常圧水頭症
・認知障害 ・歩行障害 ・尿失禁 ・シャント手術で治る

⑦クロイツフェルト・ヤコブ病
・急速に進行し1年以内に死に至る

⑧若年性認知症
・65歳未満で発症 ・血管性認知症やアルツハイマー型認知症が多い ・男性に多い ・老年期の認知症に比べて進行が速い
・家族の負担が大きい(身体的にも経済的にも)

ここで気づいてほしいことが、レビー小体型認知症と正常圧水頭症には「歩行障害」がみられます!そのため、レビー小体型認知症は幻視がつき、正常圧水頭症は尿失禁があるのかで見極めていく必要があります!血管性認知症と慢性硬膜下血腫は頭痛やめまいが特徴ですが、慢性硬膜下血腫は「数か月後」症状が出現します!慢性硬膜下血腫を選ぶ事例は交通事故が多いのも特徴です!そのためこの「数か月後」に気付けるかがポイントになってきます!さらに治る認知症は慢性硬膜下血腫と正常圧水頭症でいずれも手術すれば改善するのでそこも押さえておきましょう!
今回は認知症の理解のポイントを確認してきましたが、認知症の理解は過去問を多く解くことをお勧めします!解いていくと何となく、だいたい似たような出題パターンが見えてくるはずです!出題パターンに気付けば知識がついている証拠になります!比較的点数を稼ぎやすい科目ですので、出題ポイントを確認して効率よく学んでおきましょう!認知症の理解を勉強しておくと併せて「総合問題」の科目の勉強にもなるので一石二鳥です!

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板垣大介

板垣大介

介護福祉士国家試験対策講師

現在MSWと介護支援専門員の2刀流で活躍中。社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員の資格を持ち、介護現場で勤務ののち、介護福祉士養成の専門学校の教員として勤務。そこで介護福祉士を目指す学生に福祉の魅力を伝え、多くの卒業生が介護現場で活躍している。また介護福祉士国家試験対策のスペシャリストとして、学生だけでなく、現場で介護福祉士を目指す方たちの国家試験合格をサポートして結果を残した。介護分野だけでなく、幅広い福祉分野で新潟の医療福祉業界を盛り上げたいと考え、現在は医療福祉の現場で日々医療福祉を必要とする方とその家族のQOL向上を目指して奮闘中。趣味はバスケットボールと広島カープの応援。

  1. 介護福祉士対策講座⑥(障害の理解)

  2. 介護福祉士対策講座⑤(認知症の理解)

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