ケアカレッジ「介護のココロのケア」担当、グリーフケアアドバイザーのマミコです。
仕事をしていると「他者から評価される場面」ということが出てきます。
自分なりには一生懸命であっても、ちょっとした指摘や要望に思い悩み
「もっと頑張らなきゃ」
「人前に出て活躍しなきゃ」
「目立たない自分はダメだ」
そんな風に、自分を責めていませんか?
かく言う私も、職場では全く目立たない存在(ポジション)で仕事をしています。
というか、目立ちたくても仕事の面でそこまで能力がないので目立てない…のですけれど。
でも私は、目立たないポジションでいいと思っています。
目立たないポジションではありますが、自分らしくいられる働き方ができれるほうが嬉しいと感じます。
…とはいえ、自分らしくいられているわけではないのが、これまたしんどいところではありますけれど。(えへへ)
今日は、「目立つこと」や「活躍すること」だけが価値ではないというお話をさせてください。
「目立たなきゃいけない」というプレッシャー
子どもの頃から「もっと前に出なさい」「積極的になりなさい」と言われて育ってきた人も多いのではないでしょうか。
学校では手を挙げて発言する子が褒められ、職場では率先して意見を述べる人が評価される。SNSでは「いいね」の数が多い人が注目される。
そんな社会の中で、「目立たない自分」「控えめな自分」に価値がないように感じてしまう…のはなんだか仕方がないような気がします。
でも、本当にそうでしょうか?
目立たないポジションの価値
世の中には、目立つ人もいれば、目立たない人もいます。
そして、どちらも必要で、どちらも価値があるのです。
舞台に立つ俳優さんがいれば、裏方で支える照明さんや音響さんがいる。
料理を作るシェフがいれば、丁寧に食器を洗う人がいる。
介護の現場でも、利用者さまの前で明るく振る舞う人もいれば、静かに寄り添う人もいる。
目立たないポジションにいる人たちは、決して「役に立っていない」わけではありません。むしろ、その存在があるからこそ、全体がうまく回っているのです。
そんな「縁の下の力持ち」のような存在が、私はとても大切だと思っています。
「自分らしさ」を大切にする
「目立たない」というのは、決して消極的とか、能力がないということではありません。それは、その人の個性であり、その人らしい在り方なのです。
人前に出るのが得意な人もいれば、苦手な人もいる。大勢の中で話すのが好きな人もいれば、一対一で深く関わる方が得意な人もいる。
大切なのは、「自分はどうありたいか」を知ることです。
「世間がこう言っているから」「みんながこうしているから」ではなく、「自分はどう感じるか」「自分はどうしたいか」に耳を傾けてみてください。
もしあなたが、目立つポジションにいることで疲れを感じているなら、それは「本当の自分」と違う役割を演じているのよというのを教えてくれているサインなのかもしれません。
無理に「外向的」にならなくていい
内向的な性格の人が、無理に外向的に振る舞おうとすると、とても疲れます。
「もっと明るくしなきゃ」
「もっと積極的にならなきゃ」
「もっと自己主張しなきゃ」
そう思って無理をすると、心が疲弊してしまいます。
内向的であることは、決して悪いことではありません。
内向的な人には、内向的な人の良さがあります。
・人の話を深く聞ける
・細かいことに気づける
・一つのことに集中できる
・深い関係性を築ける
・落ち着いた雰囲気を作れる
これらはすべて、素晴らしい強みです。
介護の現場で活きる「目立たない力」
介護を必要としている人たちにも、様々な「これまでの生き方」「これまでのドラマ」があります。
みんながみんな同じではないからこそ、介護を提供する人にも様々な個性や役割が求められます。
利用者さまを楽しませる「エンターテイナー」のような人もいれば、静かに寄り添う「聞き役」のような人。チームをまとめる「リーダー」もいれば、黙々と丁寧な仕事をする「職人」のような人もいます。
控え目で目立たない?
ううん、そんなあなただからこその「すばらしい魅力・価値」がいっぱいあります。
利用者さまの小さな変化に気づくこと。
静かに寄り添うこと。
コツコツと丁寧な仕事を続ける安定した力。
言葉にならない思いを感じ取ること。
穏やかな雰囲気を作ること。
チームの空気を読み調整するやわらかい役割。
これらは、派手ではありませんが、とても大切なケアです。
「あの人がいると、なんだか安心する」
「あの人は、いつも静かに見守ってくれている」
これらは、介護の現場でとても大切な力ではないでしょうか?
そんな存在になれるあなたは、決して「目立たない控え目な存在」ではなく、
むしろ「なくてはならない存在」なのです。
比較しなくていい
職場でもイキイキ働き評価されている人を見て、そうできない自分に自分自身ががっかりしてしまう。
気分転換に…とSNSを見ていると、キラキラした人たちの投稿が目に入ってくる。
「あの人は活躍している」
「この人は注目されている」
「それに比べて自分は…」
そんな風に比較して、落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
でも、職場で見える姿やSNSで見えているものは、その人の一部分だけです。華やかに見える人も、見えないところで悩んでいたり、疲れていたりするものです。
そして何より、「活躍している」ことと「幸せである」ことは、イコールではありません。
目立たなくても、自分らしく生きている人は、とても幸せそうです。
私自身、全く持って会社で評価される存在ではありませんが、直接仕事で関わりのあるお客様から「いつもありがとう」「細かいところに気付いてもらって嬉しい」「すぐに対応してくれるよね!」と喜びの声をもらう時に、うれしい気持ちで心がホカホカします。
それは私が働く上での、小さな幸せです。
そして、ちょっと嬉しいメールをいただいら「嬉しいメール」というフォルダに保存しておき、自分が仕事で迷子になったり自信をなくしたときにそっと取り出し、自分を勇気づけるために読み返しています。
また、すごく些細なことかもしれませんが、うれしい言葉や笑顔を向けてもらった日には「嬉しい記念日」として、夜に小さなご褒美を味わって幸せな気持ちになります。
小さなご褒美は、私の好きなハイチュウだったり、レモンサワーだったり、美味しそうなわらび餅やプリン、時にはちょっとだけ贅沢した「1枚で400円するさつま揚げ」だったり。
ささやかだけれど、仕事を通して幸せや喜びを感じる時間が持てる自分のことが、割と好きです。
「ちょうどいい」場所を見つける
大切なのは、自分にとって「ちょうどいい」場所を見つけること。
無理に前に出る必要もないし、無理に控える必要もありません。
自分が心地よいと感じる場所、自分らしくいられる場所が、あなたにとっての「ちょうどいい場所」です。
前にこんな記事を書きました。
「2:6:2の法則」のご紹介をした記事ですが、職場では「役に立たない」と切り捨てたくなる存在である「2」に分類しているのが、今の私のポジションです。
私は、目立たないポジションが心地よいと感じるタイプです。
主体性がないため前に出て何かを成し遂げる力はなく、静かに人を支える自分の働きが「私の役割」だと思っています。
それは、私にとっての「ちょうどいい場所」です。
あなたにとっての「ちょうどいい場所」は、どこでしょうか?
自分を責めないで
「もっと頑張らなきゃ」
「もっと目立たなきゃ」
「もっと積極的にならなきゃ」
そんな風に自分を責めていませんか?
頑張り屋さんほど、無理なことを自分に課して必死に走ろうとしてしまいます。
評価されたり、指摘されたら落ち込みますし、頑張らないといけない…と自分に鞭を打っちゃいますものね。
眠れない日もあるでしょうし、食欲がなくなったり、休みの日も仕事のことで頭がいっぱいになることもあるかもしれません。
変わらないといけない!と、自己啓発本を読んだり、苦手なことにも前向きに取り組んでヘトヘトになってしまうこともあるでしょう。
いろいろやっても変わらない自分に嫌気がさして、自己嫌悪してしまう日もあるかもしれません。
でも、無理をして自分を変える必要はありません。
あなたはそのままで、十分に価値がある人なのです。
目立たなくてもいい。控えめでもいい。静かでもいい。
そのままのあなたで、大丈夫です。
「自分らしさ」を受け入れる
自分らしさを受け入れることは、自分を大切にすることです。
「こうあるべき」という世間の声ではなく、「自分はこうありたい」という自分の声に耳を傾けてください。
そして、その声を大切にしてください。
目立たないポジションでいいと思えることは、自分を受け入れているということです。無理をしない生き方を選んでいるということです。
それは、とても強くて、優しい選択だと思います。
だって、世界で一番大切な「自分」を尊び、愛する生き方はなんだろう?と考え、自分らしい生き方を選べる人ってとってもかっこいいですもんね!
あなたの存在は、誰かを支えている
たとえ目立たなくても、あなたの存在は誰かを支えています。あなたがいることで、誰かが安心しています。あなたがいることで、誰かが救われています。
それは、目立つ・目立たないとは関係のない、あなたの価値です。
どうか、自分を大切にしてください。
自分らしくいることを、許してあげてください。
目立たないポジションでいい。そう思えることは、自分を愛することなのですから。