医療介護福祉の学び情報メディア

介護ココロのケア

止まる、休む、は悪者じゃないんだよ!

ケアカレッジ「介護のココロのケア」担当、グリーフケアアドバイザーのマミコです。

連日のように「観測史上初!」という記録更新を続けている、猛暑…というか酷暑の夏。
みなさま、健やかにお過ごしでしょうか?

私は…
すっかりバテています。

仕事も室内でできる作業で、夏バテなんて無縁じゃない?

と自分でもツッコミを入れちゃいそうになりますが

人と比べる必要なんてないんですよね~。

『私が』しんどいなら、しんどい。
『私の』体力が持たないなら、無理しない。
『私は』バテちゃうんだから、しょうがない。

『私』を生きるのは私ですもの。
私の声を聞いてあげて、大事にしてあげて、優しく分かってあげたいですね。

…って言いながらも
私も「室内にいながら、なんで夏バテるのよ?」なんて、自分にツッコもうとしていたのに気付いてハッとしました。

長年沁みついた「自責のクセ」は、無意識のうちに出てくるものですね~。
それに気づくたびに、このクセはもういらないよ!と、柔らかくリリースしていけたらいいですね。

体力もできることも、みんなそれぞれ違うもの

いきなり個人的な話をしてしまうのですが、私は「基本・頑丈」な体をしていますが、すぐに電池切れを起こして動けなくなります。

体力がないんです。

持続力がないというか、楽しいことであってもそれが終わると、「一度休息を入れて充電」しないと体がもちません。

例えば、楽しみにしていた旅行。
近場の温泉旅行でしっかり癒されて満たされて…

楽しいことであっても「非日常」では、知らずに力が入ってしまっていたり、楽しみ過ぎてなのか、家に帰るとヘトヘト。

リフレッシュしてスッキリと翌日から働ければいいのですが、私は翌日は「休息日」を入れないと使い物になりません。

とにかく力を抜いて寝たり起きたり。
そうして自分の体が動けるようになるのを待つしかできません。

なので、旅行を計画する際には「旅行翌日の休息日」まで込みでスケジュール立てをするようにしています。

でもね…

一緒に旅行に行った友達が、翌日には元気ハツラツに仕事をしていたり、はたまた別の場所にフットワーク軽く飛び出しているのを見ると、体力のない自分に「はぁー。なんで私は次の日が使い物にならないんだろう」とガックリしてしまいます。

うらやましい!!
私も同じように、旅行の次の日から元気いっぱいに動きたい!!

そう思っちゃいますが、体は自分ではどうしようもなく、無理をして次の日からバリバリ活動すると、通常モードに復活するまでに1週間…とか、下手をすると1か月くらいスッキリしない状態が続いてしまいます。

これが、私。

なんですよね。
残念に思ってしまうけれど。

私は健康で、骨太で、元気に日々を生きることが出来ているけれど、体力がなくてすぐに電池が切れてパフォーマンスが低下します。

見た目は頑丈で大きくても、搭載しているガソリンタンクは極小。
だからチマチマと立ち止まり、自分のタンクをいっぱいにするために「休む」「待つ」時間が必要。

飛行機にはジャンボ旅客機もあればプロペラ機もあって、空を飛んで人や荷物を運ぶという「同じこと」ができていても、やれることや能力・持てる力は違いますよね。

牛だってそう。
血気盛んに戦いに挑める闘牛もいれば、ゆったりのんびり草をはむ乳牛もいるように、同じ「牛」でも特性は違います。

ついつい、自分の身近にいる「自分以外の誰か」と比較して、できていないところに気落ちしたり、できない自分を責めてしまいがちですが、

私は私で、すぐそばの人とは違う人。

体力だって、能力だって、得意なことも、苦手なことも、みんな違っています。

あの人にとって、いとも簡単にやれてしまうことでも、私には時間が必要なものがある。
私にとって、スルッとやれてしまうことでも、あの人は努力しないとできないことだってある。

みんな、それぞれ個々に違う人。
みんな、それぞれ個々に違う力や魅力を持っている人。

だからそもそも、他の人と自分を「同じものさし」で計れないんです。

それなのに、あの人と違って私は…って、計測不能のものさしを振り回して自分を追い込んでいるって思うと、あらら…と苦笑いしちゃいますよね。

進むのも止まるのも「私の選択」

あの人は休んでいないのに、私ばっかり休んでる気がして申し訳ない。

そう思ってしまうことはあるけれど、「体力」「気力」「様々な事情」で休まざるを得ないことがあるものです。

体力がない時に無理をしても、普段できることの半分もできなければ、自分に負荷をかけてもう半分をなんとかしようとして、より疲弊します。
結果、翌日はよりパフォーマンスが低下して、普段できることの1/3しかできなくなって…。

それならば、先に立ち止まって休み、しっかり体力を回復させて「いつも通り」に行動できる状態をキープするほうが、長い目で見てずっといいですよね。

あ、これ以上は無理だ!!と気づけるのは自分です。

そこで、しっかり立ち止まるという選択を選ぶことができたなら、それはとっても素敵なことですよね。

とはいっても、休んだり立ち止まりたくても頑張らないといけない場面もあるでしょう。

そんな時に、無理して頑張っている自分を「ちゃんとわかってあげている」というのはとっても大事なこと。

頑張っているから、どこか引き算できる(目をつぶってあげる)部分はないかな?
止まって休めるラインはどこかな?
頑張るために、助けてもらえるところはあるかな?

自分のやれることを超えていることを自覚すれば、追い込み過ぎずに手を抜ける部分は抜いてみたり、助けを借りることもできて、自分を疲弊させ過ぎずに目の前の山を乗り越えることができます。

進むばかりがいいとは限らない

何かを「休む」「止まる」というのは、どうにもいいイメージが持ちにくい人もいるかもしれません。

でも、それって本当でしょうか??

時に休みを挟むほうが、メリハリがついて物事が長続きすることもあるでしょうし、目的地や目標が分からなくなりかけた時に、止まらなければ迷子になってしまいます。

山登りでも、必死に上っている時には景色を見る余裕がないけれど、一休みして立ち止まればそこからの景色を楽しめます。
そして、どこまで登ってきたのか、これから山頂まではどれくらいかも分かって、達成感を感じたり、この先の計画を立てることもできます。

休むこと、止まることで見えるものだっていっぱいあります。

止まったことで、頑張っている人の姿が見えて、その人の力になれることもあります。
休んだことで新しい世界を見つけて、自分の未来が広がっていくことだってあります。

人生は一本道ではないですものね。

横道に逸れたり、遠回りして見える世界を楽しんだり、逆に思いがけない抜け道でゴールまでショートカットできたり、いろんな道があるものですから。

やみくもに突き進むばかりでは、人生にある別の道を見つけられないかもしれません。

人生万事塞翁が馬、という故事もあるように、休んだり止まったりしたことが、後になって「良かった」になることもいっぱいあるのですから、休む・止まるを恐れすぎなくてもいいんですよね。

コンディションは常に一定ではない

当たり前すぎるのに見落としがちなのが、私たちの体は日々コンディションが変化していて、一定ではないということ。

それなのに、毎日同じコンディションだと勘違いして、自分の調子を考えずに自分責めをしてしまう。

調子のいい日もあれば、悪い日もある。

目に見えない気圧に影響されてしまう人もいますし、毎月のホルモンバランスの変化で、抗いたくても一定ではいられないことを実感している方もいらっしゃるのではないでしょうか?

お天気や気温、食べたものや周りにある匂いが影響して、コンディションが揺れることもあります。

一定じゃないのだから、今の自分がしんどいと気付けて、そこで休んだり止まったりできたら、私のことを理解できてて、素敵♡ってほめてあげちゃいたいですよね~。

休めなくても、止まれなくても、「休みたいって思ってるのに頑張ったね」と、自分を労えたら、それも自分を分かって寄り添えているから、素敵。

休みたい、止まりたいに目もくれる余裕がなかったときは、それくらい必死に頑張っていることに、拍手!です。

どんな私でも、素敵♡
なことを、忘れないでいたいですね。

今日は、止まる日。
毎日が同じ速度では進めないものね。

と、自分が自分を分かって、OKを出して納得することができたらいいですね。

私も自分の速度やコンディションを分かってあげられるように、自分をもっともっと大切にしていきたいと思います!

まだまだ暑い日が続くようですから、適度に「止まり」つつ、体を労わって夏を乗り切りましょうね~。

  • 記事を書いた専門家
  • 専門家の新着記事
マミコ

マミコ

グリーフケア・アドバイザー

株式会社ドットコム・マーケティング在籍。 2021年、グリーフケア・アドバイザー1級取得。 2024年、動物医療グリーフケア®「ペットライフグリーフケアアドバイザー」認定。 人生で最もつらく答えのない苦しみに対峙するのが喪失体験です。『哀しむことは愛すること』という言葉を胸に、愛で見守り・愛で受け止め・愛で支えるグリーフケアを目指しています。 グリーフケア分野以外のお悩み相談・カウンセリングでは、自分に優しさを向けて思いやり、自己受容する生き方のサポートを得意とする。

  1. ケアカレッジ発・介護職員初任者研修レポート ~実技編~

  2. 止まる、休む、は悪者じゃないんだよ!

  3. ケアカレッジ発・介護職員初任者研修レポート ~講習編~

関連記事

PAGE TOP