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将来の不安を、少しだけ軽くするために ~成年後見制度の相談会レポート~

ケアカレッジ「介護のココロのケア」担当、グリーフケアアドバイザーのマミコです。

2月27日(金)、アピタ新潟西店2階「Komachi介護転職カウンター」で、成年後見制度の活用セミナー&相談会を開催しました。

相談会で様々なお悩みに寄り添い、一緒に考えてくださったのは、新潟市秋葉区を拠点に活動されている、一般社団法人 ソーシャルデザインワークス 代表理事・社会福祉士の土田純一さん。

「成年後見人」

言葉自体は聞いたことがありますが、いざどんな制度なんだろう?どんな時に利用することができるものなのか?ということに関して、実は私は全く無知でした。

思い込みって、怖い

お話を聞く前の私が持っていた「成年後見人」のイメージは、自分の身辺整理的なものを頼める人がいない場合に、専門知識や資格をお持ちの「第三者」にお願いして管理してもらうというもの。

どこか「何でも屋さん」的に、自分のことをお任せできるものだと思っていました。
そしてまた、ご高齢の方が利用するものというイメージもありました。

でも、相談会の冒頭で、成年後見人の「できること」「できないこと」を伺い、自分が描いていたイメージとは異なることにまず大きな衝撃を受けました。

思い込み(知っているつもり)ってこわいーーー!!

いざサービスを利用しようと思ったタイミングで、実は自分がサービスを受けることができなかったり、思っていたのと違った…って、おもいっきり梯子を外されたら、すごく動揺しちゃいますよね。

また、後見人をお願いしようと思う時って、自分の心身が健やかなときではありませんよね?
自分で自分の身の回りのことをできなくなると思った時に相談するわけですから、その時に「思ってたのと違う」となると、不安も大きくなっちゃいますもんね。

260227-成年後見人相談会

成年後見人ができること・できないこと

出来ること
・入院手続き、医療費の支払い
・介護認定申請、介護サービスの契約
・施設入所手続き、介護費用の支払い
・自宅などの不動産管理
・預貯金、年金等お金の管理
・保険料、税金の支払いやお金の出し入れ

出来ないこと
・送迎
・日用品の買い物
・食事作りや掃除などの家事
・介護
・手術や延命の判断
・身元引受人や保証人になること
・話し相手になること

冒頭でチラッと書いた「身の回り全体のことをお願いできる」というのは、勝手な思い込みだったということが判明!!

「判断能力が不十分になった後」で利用できる

しかも、相談会冒頭で分かったことなのですが

成年後見人は「判断能力が不十分になった後」で利用できる

サービスなんだって、知っていましたか??

私は相談会に行って初めて知りました。

そして「判断能力が不十分」ということは、高齢で認知症になられた方以外に、知的障害や精神障害を持っている方で『メリット・デメリットなどの物事の判断が困難』になった方が利用できる制度というのも、相談会を通じて知ったことでした。

認知症になった方、統合失調症をお持ちの方、脳梗塞などで寝たきりになった方などが後見人を利用されているそう。

つまり、自立していて自分で意思決定できる状態では、成年後見人を付けることはできないということ。

そっか。
高齢の方以外でも、福祉が必要な方で「判断能力が不十分」だという方が利用することができるものなんですね。

重度の障がいを持つ若い人も、成年後見人を使う方が多いというのも知れました。

ということは…

「今は元気だが将来が心配」
「しっかりしているうちに資産管理を任せたい」

という段階では、家庭裁判所に申し立てをしても「後見の必要なし」と判断されてしまう=成年後見人は利用できないということなんですよね。

実はこれ、今回相談会にいらした方からのご質問でもあったんです。

ご相談例:子どものいないご夫婦の不安

ご主人は70代で年金生活、奥様も60代後半で腰を痛めて歩くのが少し不自由だというご夫婦が相談会に来られていました。

・お子さんのいないご夫婦
・県外に甥っ子さんはいるが、両親の介護があり頼れない
・マンション居室購入済み
・これから先に、マンションを売却し、サービス付き高齢者住宅へ移住を考えている

お子さんがいらっしゃらないため、夫婦共に元気な今はいいけれど、どちらかに何かあった場合のことを考えると…と、未来への不安を抱えて「成年後見人」が必要なのでは?と相談会に来てくださいました。

ご相談者様は「子どもがいない」というお話でしたが、子どもがいても海外や遠い県外で暮らしていたりする場合であったり、お子さんの生活もあるから…と自分たちの老後のことは自分たちで考えて対応したいという方も、きっととてもたくさんいらっしゃると思います。

260227-成年後見人相談会風景

「判断能力がある今」だからできること

結論から言うと、ご相談にいらしたご夫婦は「判断能力がある」状態のため、成年後見人はつけられないということが分かりました。

でも、そこで終わりではなく「判断能力がある今だから、自分がどうしたいかを選ぶためにやれること」を一緒に探る時間として、相談会を活用していただくことができました。

・元気なうちに「家を処分して施設に入るか?」を考えて、施設相談会などで自分に合っている施設を探す(ご予算、サービス、居住空間など)

・元気なうちにマンション(資産)の売却先などを決める=自分の意志で決めて納得した行動ができる
後見人を利用する場合は「意思決定ができない」状態であるため、より高く売却するのを目指すというよりは、相場程度または相場より少しいい価格であれば売却を決めることになるので、資産をよりよい条件で売ることは元気な今のうちにできること

・自分の家で「訪問サービス」を利用して暮らすこともできる
・お家で過ごせるサービスも増えている(知らないと施設一択!と思いがち)

※こまち介護転職カウンターでは「老人ホーム紹介」も行っているため、入居に関するご相談・アドバイスもお届けすることができました!

「本当の不安」を紐解いていく

相談会を開催していた土田純一さんは「地域包括支援センター」で働かれていた経験もある「社会福祉士」。ご相談の内容から

今、抱えている「将来の見通しが立たないことへの不安」「その根っこにある本当の不安はなんだろう?」

というものを紐解いていくことが大事ではないか?と、お話を掘り下げて聞いておられました。

こういった相談会を利用してみることで「次に相談する先はどこがいいか?」を見つけたり、こまち介護転職カウンターでも介護専門資格をもったスタッフが施設のご紹介ができるので、相談先を見つけて安心するという意味でも

不安を見える化していけるんだな~

というのを側で見ていて感じました。

今回、実際には

「成年後見人」を利用することができない=後見人に関する質疑応答は終わり…

でしたが、この場だからこそ不安に思っていることを言葉にして話すだけで、ちょっとだけでも心が軽くなってくれていたらいいな、と相談会終了後にみんなで話していました。

お話を伺うと「墓じまい」への心配や自分たちが亡くなった後の遺骨をどうするか…など、いろいろとお二人は調べながらも迷っていることも分かりました。

ほんと、先を考えるといっぱい不安や悩みは湧いてきちゃいますよね。
真面目に真剣に、自分たちのことを考えているからこそなんですけれど、ね。

◆「死後事務委任契約」という選択肢も

「死後事務委任契約」というものがあり、亡くなったらして欲しいことを、司法書士さん等に相談してあらかじめ決めておけるそうです。

通帳の解約、年金のストップなど…判断能力はあってもご高齢で自分で行うのが不安な場合はお金を払って利用できる。
この情報を知ったことも、相談会に来て得られた安心材料の一つですよね!

相談会を前に、いろいろと聞きたいことを考えてきたけれど、来たら忘れちゃうもんだね~と苦笑いしていらっしゃいましたが、うんうん、私も同じです!!
だからこそ、こういった相談会を行っていますので、また気になる相談会に気軽にいらしてくださいね!

そうそう!!
土田さんも言っていましたが、福祉や介護の「制度」というのも、年々変わっていくもの。
だから、今聞いた内容が来年には変わっていることもあるので、前に行ったから…だけではなく、気になった時に相談会や個別相談を利用するのも大事ですね。

気になる費用のこと

今時点では成年後見人を利用することはできないけれど、利用が必要な時がきたら、やはり心配なのは「いくらかかるのか」というお金のこと。

お金のことってなかなか聞きづらい…けれど、実は一番知りたいコトですよね!!

最初にかかるもの

・手続き(申し立て)費用
→ 司法書士が15万くらい、弁護士の場合は20万~30万

後見人に支払うもの

・後見人が1年間仕事をする
→ こういうことをやりました、という記録と通帳の写しを家庭裁判所に提出
→ 家庭裁判所から「このくらいの金額を依頼者の通帳から取りなさい」と金額が決まる
→ 資産が1,000万円以下の場合は、月額20,000円程度(年額24万程度)
→ その他、交通費実費や印紙・切手の利用代金など

後見人が必要になった時に、お金がないという時は?

・区に申請する制度がある
・申し立ての手続きをするためには「法テラス」を利用できる(士業の費用は分割できる)
・月額利用料(後見人の報酬)についても、8~9割を区から補助が出る
(単身で150万以下、預貯金が350万円以下であれば使える制度)
・また資産がない場合には、生活保護を受けることもできる

今すぐサービスを使うことはなくても、費用がどれくらいなのかや補助の要件などを「知識として知っておく」と、それだけでちょっと漠然とした不安にがんじがらめにならなくなります。

相談会に来ていただいたご夫婦の不安が、ほんのちょっとでも軽くなる時間になっていたらいいな。

「話す」は「放す」

相談会の後半は、「お金の不安」「先が見えない怖さ」「見た目に分かってもらえない体の痛みのつらさ」「年金以外の収入が急に閉ざされてしまったことからくる不安」など、相談…とは離れましたが、

この場だけで分かち合いましょう!!

という感じで、お話する時間となりました。

【話すは放す】ですものね。

「話して分かってもらう」だけで、少し救われることもあるじゃないですか!

ご縁があって集ったメンバーで、お話ができたのもよかったなぁ~と思います。

今回は直接成年後見人を必要とすることはなかったのですが、土田さんもおっしゃっていましたが、

この先のことを考えて準備していることが、何より素晴らしいこと

ですよね。

個人的にはご夫婦でたくさんお話をされて、ご一緒にこうやって相談に来ることができる「仲の良さ」「お互いを思いやる姿」がとってもまぶしかったです。

金銭的な不安は払拭できないし大きいけれど、お金を払っても手に入れられない「大切な存在という支え」がいること…。くー、うらやましい。

おまけ:手相占いイベント決定!

相談会には、もうお一方社会福祉士の熊倉さんもいらしていました。

260227-熊倉さん手相

なんと熊倉さんは手相が見れる…ということで、イベント終了後、こまち介護転職カウンターの石井さんと私が手を広げて占ってもらいました。(きゃは)

納得感ある占いに、二人でキャッキャ。

ということで…

熊倉さんの「手相占い」もイベントとして開催決定!!

日程はこれから調整となりますので、こうご期待です。

こまち介護転職カウンターについて

アピタ新潟西店の2階にある『こまち介護転職カウンター』では、介護の資格を持ち、現場経験のあるスタッフが

・介護職への転職を考えている方
・介護の資格を取りたい方
・ご家族の介護で老人ホームを探している方

といった、介護にまつわるいろいろなご相談を無料でお受けしています。

また、今回のような相談会やイベントも不定期で開催しています。

▼こまち介護転職カウンター
https://komachi-kaigocounter.com/

▼Instagram(最新イベント情報はこちら)
https://www.instagram.com/komachi.kaigo.counter/

今後のイベント情報

こまち介護転職カウンターでは、今後も様々なイベントを開催予定です!

イベント情報

介護付有料老人ホーム 愛広苑一番館「個別入居相談会」

日時:
3月6日(金)12:30~17:00
3月7日(土)9:00~12:30

・要支援1から入居可能
・短期間のご入居もご相談OK
・予約なしでも対応可能(ご予約で優先案内)
・フレイル予防のための『簡易身体機能チェック』も実施

老人ホームについて、なかなか知る機会というのはありませんよね。
相談会を通じて、気軽に気になることをご質問いただけるチャンスです!

リフレッシュ体験イベント

日時: 3月10日(火) 10:00~16:30
料金: 全てワンコイン500円にて体験!

◆陽葵楽
・耳のリンパケア
・五行アロマDEプチ退室診断

◆cocona
・椅子に座っての10分ヘッドスパ

◆CLEAR
・もみほぐし10分

短時間でもスッキリ&癒しの時間をぜひ体験しにきてください。

ご予約・お問合わせは、こまち介護転職カウンターのインスタグラムからDMにてお願いいたします。
もちろん、当日参加もOK!

認知症ケア支援 VR体験会

日時: 4月15日(水) 14:00~16:00

申込み不要/自由参加OK/参加費無料
※協賛:株式会社 マルタケ様
https://www.faceduo.jp/

「どうして?」が「なるほど」に変わる!
VRを使って認知症の方の「見えている世界」を体験し、共感と安心できる関わり方を学びます。

成年後見人のご相談

今回相談会を主催くださったのは、一般社団法人 ソーシャルデザインワークス 代表理事・社会福祉士の土田純一さん。

こまち介護転職カウンターでの相談会には参加できなかったけれど、成年後見人について相談したいという方は、土田さんまでお問合わせください!

▼連絡先
一般社団法人 ソーシャルデザインワークス
〒956-0864
新潟市秋葉区新津本町2-1-29 3階

▼土田純一さんのインスタグラム
https://www.instagram.com/p/DBzxiO7TYOG/

* * *

こまち介護転職カウンターでは、これからもさまざまなイベントを通じて、みなさんの不安が少しでも軽くなる時間をお届けできればと思っています。

最新のイベント情報は、こまち介護転職カウンター公式Instagramで随時発信しておりますので、ぜひフォローをよろしくお願いします。

▼こまち介護転職カウンター Instagram
https://www.instagram.com/komachi.kaigo.counter/

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マミコ

マミコ

グリーフケア・アドバイザー

株式会社ドットコム・マーケティング在籍。 2021年、グリーフケア・アドバイザー1級取得。 2024年、動物医療グリーフケア®「ペットライフグリーフケアアドバイザー」認定。 人生で最もつらく答えのない苦しみに対峙するのが喪失体験です。『哀しむことは愛すること』という言葉を胸に、愛で見守り・愛で受け止め・愛で支えるグリーフケアを目指しています。 グリーフケア分野以外のお悩み相談・カウンセリングでは、自分に優しさを向けて思いやり、自己受容する生き方のサポートを得意とする。

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