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介護ココロのケア

自分との信頼関係は一日にしてならず ~ゆっくり長期戦で自分と仲良くなっていこう~

ケアカレッジ「介護のココロのケア」担当、グリーフケアアドバイザーのマミコです。

「自分を大切にしよう」「自分を好きになろう」と思って行動してみたのに、何も変わらない。むしろ虚しさばかりが募って、「やっぱり私はダメなんだ…」と落ち込んでしまう。

そんな経験、ありませんか?

今日は、自分と仲良くなるには「時間がかかって当たり前」というお話をさせてください。

あなたを何度も傷つけてきた人を、すぐに信じられますか?

少し想像してみてください。

あなたのことを何度も傷つけてきた人がいました。
助けを求めても無視され、差し出した手を振り払われ、酷い言葉を浴びせられてきました。

そんな人が、ある日突然「ごめんね。これからは味方になるよ」と笑顔で手を差し伸べてきたら…

あなたは、すぐにその手を握り返せるでしょうか?

きっと無理ですよね。

また傷つけられるかもしれない。
また手を振りほどかれるかもしれない。

そう思って、心にブレーキがかかるのは当然のことです。

たった1回や2回優しくされただけでは、信じることなんてできませんよね。
何十回、何百回と優しさを示され、本気であなたを大切にしてくれる姿を見て、ようやく「もしかしたら信じてもいいかな」と、おっかなびっくり相手に心を開き始める。

そんなものではないでしょうか?

自分が自分に優しくしても響かないのは「当たり前」

何年も何年も、自分のことを我慢させてきた。
自分の涙に寄り添うよりも、「そんなんじゃダメ!」と頑張らせてきた。
自分を後回しにして、誰かのために犠牲してきた。

そんな日々を続けてきた自分が、急に「これからは大切にするね」と優しい言葉をかけてきても、「本当に?」と心が疑ってしまうのは自然な反応です。

自分が自分を信じられないでいる。

それは、あなたがダメなのではなく、

それだけ長い間、自分との信頼関係が傷ついていた証拠

なんです。

自分に優しい言葉をかけても、最初は心に響かない。
スーッと引くような白けた感覚がある。
何をしても心は固く閉じたまま。

でもそれは、あなたの心が「まだ信じられない」と言っているだけ。

自分を信じられるようになるには時間がかかる。
それは、とても当然のことなんです。

自分を傷つけてきた年数を考えたら、短期間で信頼関係が築けるはずがない

私も過去に、自分と仲良くなろうと何度も挑戦しては、挫折してきました。

自分に優しい言葉をかけても、心にスースーとすきま風が通るような虚しさを感じる。
何をしても響かず、数日で心が折れてしまう。

「1カ月で人は変われる!」という言葉を信じて頑張っても、全然変われず、「またダメだった…」と落ち込むことの繰り返し。

でも、ある時気付いたんです。

自分を傷つけてきた年数を考えたら、1カ月や3カ月で信頼関係が築けるわけがないよなぁ…って。

自分を何年も何年も否定してきたのに、たった数カ月で信頼を取り戻そうなんて、それこそ無理な話だったんです。

だから私は、目標を変えました。

「すぐに変わろう」ではなく「長期戦で向き合おう」と。

すぐには自分と仲良くなれないことを想定して、ゆっくりやっていくことにしました。

まずは3カ月。

最初のうちはなにも変化がないとしても、とにかくやってみよう。

失敗したとしても、どうせ今だって生きづらいんだから、その状態が続くだけ…と、焦らずに自分に向き合うことにしました。

正直、3カ月たっても「…」という感じでした。
でもほんの少し、対話のコツが掴めたり、労いが染みてくるというか、私との間にあった氷の厚い壁がちょっとずつ溶け始めている気がしました。

さらにそこから3カ月。

半年が過ぎた頃くらいから、だんだんと「自己対話」が身についてきて、それと同時に少しずつ自己否定の言葉よりも自分を労わる言葉をかける意識がついていきました。

1年が経った頃、随分と関係がよくなったと実感できました。

「私は私が大好き!!」となったのではなく、気が付いたら楽になっていて、自分と仲良くなれてきたと”気付いた”感じです。

そこからさらに1年。
そしてまた1年。

ゆっくり長期戦で自分に優しさを向け、今の私は「自分の理解者になれてきた…よね?」と思えるようになりました。

何度跳ね返されても、めげずに優しさを届け続ける

自分との信頼関係を作っていく過程で、何度も何度も自分の優しさが跳ね返されることがあると思います。

何をやっても響かないように感じると「やっぱり私は変われないんだ…」と諦めたくなるかもしれませんが、そこで諦めないでください!!

「今まで本当にごめんね」
「つらかったよね」
「もう我慢させないからね」
「あなたのことを大切にしたいんだよ」

跳ね返されても、響かなくても、めげずに何度も何度も、自分に優しい言葉を届け続けてください。

それから…

うっかり自分を責めてしまっても大丈夫!

「あっ、ごめん。またクセで責めちゃったね。本当にごめんね。でもこれからも頑張るから」と素直に謝りましょう。
それだけで、大丈夫。

不完全だし、まだ時折キツイこと言うこともあるけれど…
この人(自分)は私に向き合おうとしてくれている。

そう思えるようになることで、少しずつ少しずつ、自分への見方が変わっていきます。

おっかなびっくりでも、「もしかしたら信じてもいいかな?」と思えてくる瞬間が、必ず訪れますから。

「雨垂れ石を穿つ大作戦」でいきましょう!

塵も積もれば山となる。
雨垂れ石を穿つ。

どんなに小さな”モノやコト”であっても、積み重なると大きな力に変わります。

あなたがあなたに優しい言葉や優しい視線を届けることも、はじめの一滴は、固い石に弾き飛ばされるかもしれません。

でもその1滴1滴がいつしか石に穴を開けるように、あなたを守ろうとしてギュッと閉じた心に、ゆっくりと浸透して行きます。

何度手を差し伸べられたら、あなたはあなたのことを信頼できると思いますか?

1回、2回…
なんて人はいないですよね。

であれば、自分が自分を信頼できるまでにはちょっと時間がかかりそうね!と、頑張り過ぎずに長期戦で向き合ってあげませんか?

すぐには自分と仲良くなれなくても大丈夫。

そんなの想定内よ!あっはっはー。

と明るい笑顔の「平野レミさん」を脳内に召喚して、自分と仲良くなりたいのにうまくいかない自分のことを、朗らかに優しく笑い飛ばしてあげましょう。

すぐには仲良くなれないと想定しておけば、結果を急ぎ過ぎずに自分に向き合って行けますもんね!

優しさは、きっと拒絶し続けられないもの

優しさってそんなにずっと拒絶できないと思うんです。
人のために我慢できちゃうくらい優しいあなたなら、なおさら。

自分に向けられた本物の優しさは、時間をかけてゆっくりと、あなたの心に染み込んでいきます。

大丈夫です。

私も何十年も自分を否定し、何度だって自分と関係を築くことに失敗してきたけれど、それでも今は「私には私という最高の味方がいる!」と言えるようになりましたから。

ゆっくりで行きましょう。

合言葉は「雨だれの私!」で。
ゆっくり、ゆっくり、亀の歩みより遅い「スローペース」でも大丈夫だから。

私はこれからも終わりなくずっと、自分のことを暖かい目で見てあげ続け、もっともっと自分との関係性を深めていきたいと思っています。
その歩みは、トロトロと遅く、寄り道や足踏み、3歩進んで2歩下がるくらいかもしれませんけれど。

感情は揺れるものだから

当然ながら、自己受容していたってネガティブになることも、落ち込むことも、思うようにいかないこともあります。
感情は揺れますから、波のようにザッパーンと苦しい気持ちにくるまれることだってあります。

でもそれは、ごくごく当たり前のこと。

だって私たちは、誰一人として完全な存在ではありません。
誰しもがいびつで不完全で、突出した才能もあれば、ビックリするくらい足りない部分もあります。

それが「人間」なんです。

しんどい時は、やり過ごすだけで充分です。

荒れている海の中の小舟で、沈没しないように必死で耐えているようなもの。
しんどい中で頑張っている、それだけで充分です。

自分との信頼関係を作っていくのは、思い立った日が吉日!でいつ行動してもいいものですが、行動したその日の内に自分と心通う大親友になる、なんてことはありません。

自分が自分につけてしまった傷に、そっと薬を塗ってあげて手当てをしながら、ちょとずつ『自分との信頼関係』を作っていくんですもの。

自分との信頼関係は、一日にしてならず、です。

でも必ず、あなたとあなたは仲良くなれます。
時間をかければ、必ず優しさは届きますから、ね。

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マミコ

マミコ

グリーフケア・アドバイザー

株式会社ドットコム・マーケティング在籍。 2021年、グリーフケア・アドバイザー1級取得。 2024年、動物医療グリーフケア®「ペットライフグリーフケアアドバイザー」認定。 人生で最もつらく答えのない苦しみに対峙するのが喪失体験です。『哀しむことは愛すること』という言葉を胸に、愛で見守り・愛で受け止め・愛で支えるグリーフケアを目指しています。 グリーフケア分野以外のお悩み相談・カウンセリングでは、自分に優しさを向けて思いやり、自己受容する生き方のサポートを得意とする。

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