ケアカレッジ「介護のココロのケア」担当、グリーフケアアドバイザーのマミコです。
私も含め…ですが、何かと忙しい毎日の中で何とか自分の気持ちを整えているはずが、どうにもスッキリしないお天気や明るくないニュースが続いたりすることで気持ちが引っ張られ、心のバランスが揺らいでしまうことがあります。
そんな時こそ、1日の仕事を終えた後でほんの少しでも自分に「お疲れ様」「今日も頑張ったね」と、自分を労う時間を持つことはとっても大事な事だと思っています。
シャンパンタワーの法則
会社内でより良い成果を出したい・周りの人の役に立ちたいと思う時には、私たちは”自分を後回し”にし「仕事」「周りの人間関係」を優先して頑張ってしまいます。
けれど不思議なことに、私たちは「自分がちゃんと満たされていない」と、相手に与える・役に立つことが出来ません。
たとえ歯を食いしばって与える事をしたとしても、それは満足感にはつながらずに自分が疲弊していきます。
(心理学では自分を疲弊させて与える事を『犠牲する』と表現します。犠牲についてはまた別の機会にお話しさせてください)
与える・良い結果を出すためにも大事なことは【まずは自分を満たす】ということ。
少し前のコラムでもこの法則についてチラッと触れていますが、自分を満たすという意味でとても分かりやすい法則なので改めてご紹介させていただきます。
結婚式やドラマや映画のシーンでシャンパングラスをピラミッドのように積み上げた「シャンパンタワー」というのを見たことはありませんか?
積み上げたシャンパングラスの上からシャンパンを流しいれるのですが、シャンパンタワーでは一番上のグラスが満たされて溢れだすことでようやく他のグラスにシャンパンを分け、満たすことが出来ます。
私たちもシャンパンタワーと全く同じで、一番上のグラスである自分自身が満たされていないと、他の人に与えることが出来ません。
自分を満たす、というと色んなことが想像できますが、自分を正しく愛する・承認するということも、自分を満たすためにとても大事な作業。
ですが、頑張り屋さんだったり完璧主義が強かったりすると、「この程度で自分を認めていい訳がない」「こんなの頑張った内に入らない」と、自分を労うことを疎かにしてしまいがちです。
けれど、何かしらの結果を出すにも・社会や会社や周りの人の為に貢献するにも、やっぱり大前提は「自分をちゃんと満たしてから」なんです。
幽体離脱ワーク?自分を俯瞰で見る時間を持ちましょう
日々頑張っている自分を肯定・承認することは大事なことだよ!と言葉にするのは簡単なのですが、寝る前に1日を振り返って自分を褒めてみてくだい、と言われると皆さんは自分のことをいくつ褒めることが出来るでしょうか?
・まだ寝ていたいのにアラームで起きた私、ブラボー!
・仕事に行くためにちゃんと歯を磨いて顔を洗って偉い!
・遅刻しないで職場にたどり着けて素晴らしい!
・忙しい中でも電話が鳴ったのをすかさずとるなんて神業?!
・お得意様へのメールの文章に、相手を気遣うメッセージをそっと添えた私、優しいね!
・疲れているスタッフさんに「どうぞ」って飴をおすそ分けした私、女神様かな?
・仕事から帰ってきて自炊とか、激しく凄い!!
こんなレベルで自分を褒めてあげてもいいはずなのに、普段から自分に「いいね!」という承認をしてあげていないと、何か特別なことを成し遂げないと自分に対しての〇をつけてあげられません。
大きな成果ではなくもっと手軽に小さなことを褒めていいはずなのに、「歯磨きして偉い」ということからやってみましょうと提案したところで「そんな当たり前なことを褒めたって…」と抵抗する方もたくさんいます。
(そんなこと…って思うレベルでも本当は褒めるべきなんですけれどね。)
だからこそお勧めしたいのが【幽体離脱ワーク】です!!
【幽体離脱ワーク】
1日を終えてお風呂に入っている時や寝る前のリラックスした時間に、目をつぶって大きく深呼吸をしましょう。
吸って・吐いて…と呼吸に集中して大きく大きく3回深呼吸をしたら、ドラえもんのタケコプターを付けて、自分自身が空をふわふわと飛んでいる姿をイメージしてみてください。
気持ちよく空を飛んでいたら、大きな窓があることに気付きます。
そっとその窓に近付いて中を覗き込むと、その窓は、今日あなたが働いていたあなたの職場が見える窓で、窓の中には一生懸命働いているあたなの姿が見えます。
窓の向こうのあなたはどんな表情をしていますか?
笑っていますか?
無表情でしょうか?
元気に仕事をしていますか?
しんどいのに、それを周りに見せないようにしているでしょうか?
疲れて肩を大きく回していますか?
顔色はどうでしょうか?
緊張している姿や、寂しそうにしている姿、不安そうな面持ちをしていませんか?
満たされていてやりがい溢れる顔をしていますか?
課題を前に頭を抱えつつ、仕事に必死に取り組んでいますか?
あなたがタケコプターをつけて空の上の窓から「あなた」のことを見て、どんな気持ちになりますか?
もし言葉をかけてあげられるなら、あなたにどんな言葉を届けたいでしょうか?
それをぜひ、声に出してつぶやいてみてください。
イキイキしていて素晴らしいね!
お疲れ様、頑張ってるね。
もっと肩の力を抜いていいよー。リラックスして深呼吸。
大丈夫だよ、安心して。
上手くやれる!
もう頑張らなくていいよ。
逃げたっていいんだよ。
その言葉をつぶやくと、どんな気持ちがしますか?
あなたがかけた言葉は、あなたが欲しい言葉です。
誰よりも自分の欲しい言葉を知っているのはほかでもない自分ですものね。
自分で自分を俯瞰して、まるで幽体離脱したように自分を眺めてみると、自分に対する暖かい思いが湧き上がります。
窓の内側にいるその人は、結構頑張ってますよね?
不器用だけど必死になって、かわいいところもたくさんありますよね?
健気なところもあるし、結構いいやつなんだよな!って思いませんか?
つらそうだったら助けてあげたいし、無理しないでいいよ、って抱きしめてあげたくなりますよね。
緊張しながらも何かを成し遂げようとしていたら、精いっぱい応援してあげたくもなっちゃいませんか?
こんな風に、自分をもっともっと沢山承認してあげましょう。
誰かが認めてくれたからすごいのではなく、あなたがあなたのすごさを誰よりも知っているのですから、自分で「分かっているよ」と自分に言ってあげましょう。
人はやっぱり「認めてもらえる」と頑張れます。やる気も出てきちゃいます。
自分を俯瞰して客観的に見ることで、自分を承認してあげやすくなります。
承認して味方になってあげられると、分かってもらえていることで自分が満たされて安心します。
よりよい結果を出すためにも、自分を笑顔にするためにも、自分を満たす「幽体離脱ワーク」で自分に優しい声がけをしてあげませんか?
日々頑張っているあなたであればあるほど、褒めてあげれられる・声をかけてあげられる場所はたくさんありますものね。
どうぞ、自分に「お疲れ様」「ありがとう」をたくさん届けてあげられますように。