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専門家コラム

【介護と看護】採用における勝ちパターンについて

企業ブランドの構築とプロモーションが不可欠

お久しぶりの掲載となりました、bambino tesoro 株式会社の帆苅です。採用と人材育成をメイン事業とした会社の代表です。改めてよろしくお願いいたします。

今回は、介護職種と看護職種の採用について、上手くいっている事業所様の状況から考察してみたいと思います。

高齢化社会の進展や医療技術の発展に伴い、介護職種と看護職種への需要はますます高まっています。しかし、適切な人材を確保することは容易ではありません。競争が激しく、人材の流動性も高いため、採用には戦略的なアプローチも求められます。

・・・が、その中でも採用ツールの選定よりも先に!まず!

介護施設や医療機関は、自らのブランドを構築し、アピールすることが重要です。良好な労働条件や働きやすい環境、キャリアパスの構築など、従業員にとって魅力的な要素を強調し、その魅力を広く伝えることが必要です。これにより、より優秀な候補者を引き付けることが可能となります。

よくSNSで発信することを勧められたり、HPを整えたりされる事業所様も多いですが、あくまでも二次情報となり求職者からは転職で失敗したくないため「実際も本当にそうなのか?」と周りの同業に口コミを聞きに行ったりして情報を求めにいっています。ここで言うブランド構築は、一次情報のことで、実際に行われている「キャリアパスの内容について」や「キャリアを築いている先輩の声」や「求人票以外の従業員から喜ばれている労働条件」などの内部の方では当たり前だけど、外からじゃ見えにくい情報の事です。

多様な採用チャネルの活用

自社ブランドの構築とプロモーションができたらやっと採用チャネルの選定です。

採用チャネルは多様化しています。求人サイトや採用イベント、SNSなど、様々な方法で候補者を探すことができます。特に若年層や異業種からの転職者を獲得するためには、新しい採用チャネルの活用が有効です。採用チャネルをうまく組み合わせることで、幅広い人材層にリーチすることが可能です。

・求人サイト
導入費用がかかり、その間で採用人数の制限がある場合も。契約期間中はスカウト機能等も利用可能。その代わりマンパワーがかかる。

・人材紹介
より積極的に採用活動を進められるツール。成功報酬型がほとんどで、想定年収の25%〜35%の紹介手数料が必要。事業所側のアクションは不要。

・採用イベント
転職フェア等でブース出展することで1日で複数の現職者へ会社説明会の実施と対面でのコミュニケーションが取れる。実は1名あたりの採用コストが一番安くなる。

・SNS
運用のテクニックや更新頻度も必要。導入コストはかからないが、専任者を作らないと成果にはつながらない。どれも良し悪しがあるので、しっかりと戦略を練ることも必要です。

候補者の適性評価とマッチング

採用プロセスでは、候補者の適性評価とマッチングが重要です。求められるスキルや経験だけでなく、個々の人物特性や価値観も考慮することが必要です。適性評価を通じて、候補者の適性やモチベーションを正確に把握し、適切なポジションに配置することが重要です。

その為、面接官のスキルに非常に左右されるという事と、面接官も現場の現状を常に理解しきっている必要があります。 ほとんどの現場では、人材不足により適正評価よりも人数の確保に優先度が高く、思っていた事と違うと言うことが入社後に起こりがちです。

どちらが先かと言われる事も多いですが、長期的視点では従業員の満足度を高めて、社内制度や育成カリキュラムを整えてからの積極的な採用が人気のある事業所の特徴と言えます。

従業員の参加とエンゲージメント

従業員の参加とエンゲージメントは、採用成功の鍵となります。従業員が組織に満足し、自らの仕事に情熱を持つことで、組織全体のパフォーマンスが向上します。従業員が積極的に参加し、組織文化を形成するためには、リーダーシップの重要性があります。 とは言っても突然、リーダーシップを発揮してほしいと言われても何をしたらいいのか、何からさせたらいいのかわからないもの。

私がキャリアアドバイザーとし携わっている特養さんの事例では、

・仕事にやりがいや誇りがある
・自己肯定感が低い
・他者から見てできていることも自分はできていないと思い過ぎている

こういった傾向の強い方が多いです。

この事業所様には、簡単な評価チェックシートの導入で、自己評価と直属上司やリーダーとの評価のすり合わせを行いました。 こちらのケースでは個別面談は無し。自己評価を入力後に、リーダーが評価しその後上司が評価するものです。 全て完了したら自己評価シートを再度確認してもらい、感想を3行程度もらうものですが効果は非常に高く、定期的なキャリア面談でもとても笑顔が増えたり自発的な学ぶ意欲もさらに向上しているのを感じました。 よく1on1は大事と言われますが、ない方が効果的というケースもあることがこれで実証されたケースです。

継続的な育成と成長の機会の提供

最後に、採用後の継続的な育成と成長の機会を提供することが重要です。
入社研修での事例はこちらを参考にしてください。
https://care-college.jp/expert-column/

介護職種や看護職種は、経験やスキルの向上が不可欠です。定期的な研修や教育プログラムを通じて、従業員の能力を向上させることで、組織の競争力を維持し、成長を促進することができます。

資格手当や資格取得のための勉強ツールの提供も最近ではとても事業所様の取り組みとして増えてきました。

介護職種と看護職種の採用においては、ブランドの構築とプロモーション、多様な採用チャネルの活用、候補者の適性評価とマッチング、従業員の参加とエンゲージメント、そして継続的な育成と成長の機会の提供が重要な要素です。これらの戦略的アプローチを取り入れることで、優れた人材を確保し、組織の成長と発展を支援することが可能になります。

まずはブランドの構築をぜひ社員の皆さんと話し合ってみてください!

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帆苅有希

帆苅有希

bambino tesoro 株式会社 人材コンサルティング事業

「こどもは宝」を主語に行政・企業・家庭が、それぞれの得意なこと・好きなことで半径5メートルの世界をストレスフリーにできたら『愛が溢れる社会』になれると信じています。 「自分を知る、自分が変わる、未来が変わる」この機会を私たちからつくりだしその総量を最大化するため、一人一人が違う今日まで歩んできた人生で得たものを、それぞれが身近な大切なひとへ届けるところから弊社が人材コンサルティングを通じて機会を作り一緒にはじめていきます。

  1. 【介護と看護】採用における勝ちパターンについて

  2. 【介護福祉の悩み】利用者さまと職員間における人間関係とは

  3. 【入社研修をマニュアル化することで3年以内の離職者が激変】現場の育成だけに集中して業務負担を軽減する方法!

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